海外市場調査の方法や比較ポイントを解説!信頼できるおすすめ調査会社7選

企業が海外進出を成功させるには、現地のニーズや生活様式を把握する「海外市場調査」が必要不可欠です。自社の商品・サービスが受け入れられるかを見極める第一歩であり、進出を検討している国の競合調査や市場の動向をつかむうえでも重要な役割を果たします。
この記事では、海外市場調査の主な手法や注意点、海外市場調査に強い調査会社の選び方を紹介します。
海外市場調査とは
海外市場調査とは、自社の商品やサービスを海外で展開する前に、現地の人々や市場について調べることです。市場規模やニーズだけでなく、文化や価値観なども調査対象になります。
日本で需要が高い商品でも、文化の違いなどの理由から海外では受け入れられず、苦戦するケースは少なくありません。あらかじめ調査を行えば、現地の状況や市場をより深く理解でき、インバウンド対応への活用も可能です。
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海外市場調査の主な方法5つ

海外市場調査を成功させるには、目的に応じた適切な方法選びが重要です。ここでは代表的な5つの手法を紹介します。
インターネット調査(定量調査)
インターネット調査は、Web上でアンケートを行い、海外市場のニーズを数値で把握する手法です。インターネットの海外市場調査では、低コスト・短期間で広範囲のデータを収集でき、日本にいながら海外の消費者の傾向を探れます。
一方で、ネット環境が整っていない国・地域や特定のターゲット層には届きにくく、データが偏るリスクがあるため注意が必要です。
インタビュー調査(定性調査)
インタビュー調査は、市場の文化や価値観など、数値化しにくい情報を深く理解するために有効な手法です。現地の消費者や専門家に直接会い、生の声を聞く海外市場調査は、アンケートでは得られないリアルな意見を収集できます。
1対1のデプスインタビューや、複数人を対象にしたグループインタビューなどがあり、潜在的なニーズや課題の把握に役立ちます。
フィールドリサーチ(現地調査)
フィールドリサーチは、実際に現地に赴き、店舗や街中などで直接情報を収集する手法です。現地の空気を肌で感じながらする海外市場調査で、価格帯や消費者の行動などを体感的に理解できるのが大きな特徴です。
店頭調査や覆面調査などの形式があり、予定になかった情報や新たなニーズの発見につながったり、現地の関係者と信頼関係を築くきっかけになったりします。
デメリットとして、渡航費や滞在費、時間的コストがかかる点に注意が必要です。
デスクリサーチ(二次調査)
デスクリサーチは、既存の情報源からデータを収集する手法です。
主に以下のようなものがあげられます。
- インターネットや書籍
- 政府機関の公開データ
- 報道資料
- SNS
現地に行く必要がなく、パソコンやスマートフォンがあればすぐに始められるため、低コスト・短時間で実施できるのが大きな利点です。海外市場調査の初期段階で基礎情報を把握するのに適しており、進出の検討段階でよく活用されます。
ただし、ネット上の情報は、信頼性や出典を慎重に確認する必要があります。
専門家へのヒアリング
専門家へのヒアリングは、対象国に詳しい学者や専門機関の関係者などに現地の市場や競合状況、課題などを聞き取る手法です。
専門家ならではの知見や分析により、自社では得られない深い情報が収集できます。海外市場調査においては、戦略の立案段階で効果的です。
一方で、費用がかかる点と、目的が明確でないと成果を実感しにくい点がデメリットと言えます。
海外市場調査は専門会社に依頼すべき理由
海外市場調査は、専門の調査会社に依頼することで「精度」「スピード」「信頼性」を高められます。
自社での経験や実績が、海外でもそのまま通用するとは限りません。国ごとに文化やライフスタイルが異なり、消費者のニーズや課題も変化します。違いを正確に捉えるために、海外市場調査は必須です。
海外市場調査に強みを持つ調査会社に依頼すれば、現地の言語や文化、市場に精通した調査のプロが対応するため、精度の高いデータが手に入ります。自社では気づきにくいリスクや消費者の感覚も把握でき、戦略立案において重要な視点を得られます。
海外市場調査を依頼する調査会社の選び方|5つのポイント

海外市場調査を成功させるには、信頼できる調査会社選びが重要です。選定の際に押さえておきたいポイントを5つ紹介します。
対応可能な調査手法
調査会社を選ぶ際は、自社の目的に合った調査手法に対応しているかの確認が重要です。
「数値で傾向を把握したい」なら定量調査、「消費者のニーズや課題を深く知りたい」なら定性調査など、目的によって適した手法が異なります。加えて、海外では国ごとに法律や文化的背景が異なり、特定の手法が制限される場合があるので注意が必要です。
調査内容に適した手法を、正しく実施できる調査会社選びが、スムーズな海外市場調査につながります。
現地対応力の有無
調査対象とする国や地域での対応が可能かどうかは、調査会社を選ぶうえで大切なポイントです。
海外市場調査では、現地の言語で調査を設計し、アンケートの翻訳やインタビューを行えるかどうかが、調査結果の精度に直結します。単に言語を訳すだけでなく、文化的な背景や表現のニュアンスを正しく反映できるかどうかも重要です。
現地の事情に精通したリサーチャーが関わっているかどうかが、データの信頼性を大きく左右します。
費用の透明性と妥当性
海外市場調査は、調査対象国や調査内容によって費用に大きな差が出るのが特徴です。一般的に日本国内の調査より高額になり、インターネット調査は1カ国あたり50万円〜、複数の手法を組み合わせると100万円〜が相場とされています。
あらかじめ費用感を把握し、調査項目ごとの内訳や明確な見積もりが提示されるかの確認が重要です。単に金額の大小ではなく、コストに見合った成果が見込めるかどうかを基準に判断する必要があります。
豊富な実績と専門的な知識
調査会社を選ぶ際は、海外市場調査において充分な実績と専門的な知識を持っているかを確認することが重要です。
調査対象国や業界に関する類似の調査経験があれば、現地事情の理解も深く、調査の精度や対応力にも期待できます。過去の事例や具体的な実績を提示できるかどうかも、信頼性を見極める判断材料になります。経験豊富なリサーチャーが在籍しているかどうかもポイントです。
調査前後のサポート体制
海外市場調査を依頼する際は、調査の実施だけでなく前後のサポート体制にも目を向けることが欠かせません。
たとえば、依頼前のヒアリングや調査設計の提案、実施後のレポート説明まで一貫したサポートを提供している会社があります。サポート体制が整っているかを確認することで、より安心して調査を任せられます。
海外市場調査に強い!おすすめ調査会社7選
海外市場調査に強みを持ち、実績や信頼性の高い調査会社を7社紹介します。ぜひ依頼先選びの参考にしてください。
Quest Research

参照元: 株式会社Quest Research
Quest Researchは、「生活者の声をもっと身近に」を掲げ、調査スピードの向上と効果的な情報提供を強みとする調査会社です。
オンライン定性調査サービス「qork(コルク)」を活用することで、海外市場調査の高速化を実現しています。インタビューフローの設計から回答分析までを、日本語で完結できるワークフローにより、効率的な調査が可能です。
AIを活用して回答後すぐに日本語の速報レポートを作成するなど、迅速な対応力も特徴です。
日本リサーチセンター

参照元:株式会社日本リサーチセンター
日本リサーチセンターは、1960年代から海外市場調査を手がけてきた歴史ある調査会社で、豊富な実績と経験を持っています。
オンライン・オフラインを問わず、郵送調査、訪問調査、会場調査など幅広い手法に対応しており、海外はもちろん、訪日外国人への調査も可能です。2018年2月〜2023年1月には、40か国以上、900件超の海外市場調査を実施しており、複数国への同時調査にも対応しています。
調査設計からレポート作成まで一貫したサポート体制が整っており、調査のテーマや対象条件に応じて最適なパートナーを選定してくれます。
ネオマーケティング

参照元: 株式会社ネオマーケティング
ネオマーケティングは、調査にとどまらず、得られたデータを商品開発やマーケティング戦略に活かすまでを支援するマーケティングパートナーです。
全世界150か国でのオンラインリサーチに対応し、海外市場調査は30万円から実施しています。オンラインアンケートはもちろん会場調査、訪問調査、インタビューなど定量・定性の幅広い手法に対応可能です。
国内と同等のデータ品質を保てるよう管理体制を整えています。在日・訪日外国人への街頭調査やインタビューも行い、多言語で対応しています。
サーベイリサーチセンター

参照元: 株式会社サーベイリサーチセンター
株式会社サーベイリサーチセンターは、創業50年の実績と海外とのネットワークを活かし、幅広い調査に対応する会社です。
全国に調査員を抱え、街頭調査や訪問調査といったフィールドリサーチに強みがあり、政府系・自治体系の入札案件も多数手がけています。海外市場調査では現地での街頭調査や定性調査など、対面での調査に対応しています。
シーエスジー

参照元: シーエスジー株式会社
シーエスジー株式会社は、市場や事業の構造を明らかにしながら、目視やヒアリングを通じた情報収集を重視する会社です。
情報の根拠を丁寧に確認し、課題解決に直結する調査を行っています。海外市場調査では特にインタビュー調査に強みがあり、世界150か国に在住する日本人リサーチャーのネットワークを活用した柔軟な対応が可能です。
マクロミル

参照元: 株式会社マクロミル
マクロミルは、90以上の国と地域で、1億人を超える生活者へのリサーチが可能な大手調査会社です。
海外市場調査においては特にアジア・東南アジア市場に強みがあり、2,000名以上のプロフェッショナルがグローバルに活躍しています。オンラインリサーチを主軸に多様な調査手法に対応し、幅広い業界で利用されています。
クロスマーケティング

参照元: 株式会社クロス・マーケティング
クロスマーケティングは、業界屈指の調査リソースと高い分析力を強みとする会社です。国内最大規模のアンケートパネルを有し、ネットリサーチをはじめ多様な手法に対応しています。
海外支社との連携で、年間1,000本以上の海外市場調査を実施しており、グローバルな調査ニーズにも柔軟に応えています。
海外市場調査における注意点
海外市場調査を成功させるためには、注意点の把握も重要です。ここでは、特に気をつけたいポイントを解説します。
現地の言語・文化への対応
海外市場調査では、言語だけでなく文化や価値観の違いを踏まえた対応が必要です。
同じ質問でも国によって受け取られ方が異なったり、宗教や生活習慣によってタブーとなる内容が含まれたりする場合もあります。調査設計は現地の文化や言語に即したものにし、翻訳でもニュアンスを正確に伝える工夫が重要です。
通信環境に応じてオフライン調査を選択したり、利用するSNSツールに配慮したりするなどの柔軟性も求められます。
余裕のあるスケジュール設計
海外市場調査では、言語や文化の違いに加え、物理的な距離や時差の影響により、日本国内の調査と比べて工程が多くなりがちです。
質問や回答の翻訳作業、現地で動く調査会社やリサーチャーとの連携、調査対象者の手配など、時間を要する場面が少なくありません。
時差や祝日、宗教上の理由で回答が遅れる場合もあるため、余裕を持ったスケジュール設計が不可欠です。
信頼できる調査会社の選定
海外市場調査の成功には、現地での調査を担う調査会社との信頼関係が欠かせません。
調査会社ごとに対応可能な国や地域、手法や強みが異なります。自社が調査したい対象国や内容に合った会社選びが重要です。現地での調査実績や地域理解の深さも、調査結果の信頼性を左右する大きな要素となります。
まとめ|目的にあった調査会社を選びが海外展開成功の第一歩
企業の成長戦略として海外展開を考える際、海外市場調査は欠かせないステップです。
調査のプロである専門会社に依頼すれば、現地の言語や文化、市場に精通したリサーチャーが対応し、精度の高いデータを効率的に収集できます。調査会社によって得意な地域や調査手法は異なるため、自社の目的に合った会社選びが、重要なポイントとなります。
本記事を参考に、自社に最適な調査会社を見つけて、海外展開の成功につなげていきましょう。