消費者パネルを使った顧客満足度調査を行うメリット|競合の解像度を上げる分析フローとは
「自社の顧客満足度調査(CS調査)を行っているものの、これでは【自社の現状】しか把握できない。」
「競合との優劣や市場全体の潮流が結局見えず課題感がある。」
これまでこのように感じたことはありませんか?
GMOリサーチ&AIは自社の消費者パネル(Japan Cloud Panel)を使い、市場全体を俯瞰した「顧客満足度調査」を行っています。競合を利用する人のデータを取り入れれば、自社データだけでは見えなかった「競合の戦略」や「市場の評価ポイント」を明確にできます。実際のデータを使いながら、分析手法を3ステップで見ていきましょう。
STEP1|総合スコアで市場の大まかな地図を作る
今回見ていくのは、GMOリサーチ&AIが実施する「GMO顧客満足度ランキング2025(転職エージェント)」で、実際にサービスを利用した消費者1,022名へのインターネット調査をもとにランキングしたものです。
まずは総合スコアで全体像を把握します。11社のランキングを見て、市場の大まかな地図を作るイメージです。今回の1位はハイクラス・専門職特化を強みとするJACでした。
| 順位 | 会社名 | 総合得点 |
|---|---|---|
| 1位 | JACリクルートメント | 71.73 |
| 2位 | dodaエージェントサービス | 68.79 |
| 3位 | リクルートエージェント | 67.60 |
| 4位 | リクルートエグゼクティブエージェント | 67.18 |
| 5位 | マイナビAGENT | 65.82 |
| 6位 | パソナキャリア(パソナ) | 65.15 |
| 7位 | Adecco(アデコ) | 64.89 |
| 8位 | マイナビIT AGENT | 61.88 |
| 9位 | エン エージェント(エン・ジャパン) | 61.73 |
| 10位 | 建設・設備データベース(クイック) | 50.03 |
| 11位 | type転職エージェント | 48.33 |
出典:GMO顧客満足度ランキング2025(転職エージェント)
STEP2|指標を分解し各社の強みの置き場所と消費者の評価ポイントを探す

次に各社データの凸凹を探し、「どこで勝っているか」を言語化しましょう。例えば総合1位のJACリクルートメントの指標別スコアを見ると、際立った構造が浮かびます。
| 指標 | スコア | 順位 |
|---|---|---|
| 求人数の多さ | 60.02点 | 8位 |
| 初回面談・ヒアリング | 74.12点 | 1位 |
| 希望条件に合う求人紹介 | 72.43点 | 1位 |
| 求人紹介までのスピード | 69.04点 | 3位 |
| アドバイス・書類添削 | 69.22点 | 2位 |
| 企業との調整・条件交渉 | 75.27点 | 1位 |
| 転職後のアフターフォロー | 69.42点 | 3位 |
| 【総合スコア】 | 71.73点 | 1位 |
JACは求人数60.02点で11社中8位。下位圏に沈んでいます。ところが「企業との交渉・調整」は75.27点(全社1位)、「初回面談・ヒアリング」は74.12点(全社1位)を記録し、総合スコアは71.73点でトップです。この凸凹は、JACが「量」ではなく、サービスの「質」で勝つ戦略にしている可能性が高いこと、また顧客が実際に「質」を求めており、顧客満足度が上がっていることが読み取れます。
ここから「質」をさらに分解していきます。JACが1位を記録した「初回ヒアリング」と、「企業との交渉・調整力」が、「質」の核心を担っている可能性が高いと考えられます。
定性評価(口コミ)も分析し定量情報の裏付けを取る
GMO顧客満足度調査ではアンケート内で利用者の声も収集しています。以下はその例です。
「とても親身になってくれる。転職を進めるだけではなく、状況に応じて転職しない方が良いとアドバイスくれることもある(男性・37歳)」
「一次面接の前の時に、想定質問を教えて頂き、回答を一緒にかんがえてくれた(男性・37歳)」
「面接時にJACの担当の方も顔合わせまで付き合ってもらえた(男性・62歳)」
これら口コミから、やはり求人数よりも丁寧な対応力で付加価値を作っており、顧客も満足度の指標として率直に評価していることが伺えます。競合に寄せられた口コミと比較しても、JACは求人数よりも対応力で評価されていることが分かりました。
数値データだけでなく、定性情報も収集し裏付けを取ることも、市場調査を行う上で重要なポイントとなります。
総合スコアが近い競合と比較し戦略の違いを言語化する
最後に、総合スコアが近い2位doda(68.79点)・3位リクルートエージェント(67.60点)と比較してみましょう。ここでの目的は、戦略の違いを把握し、それらが実際に顧客満足度にどう影響しているかという各社の現在地を確認することにあります。
| 指標 | JAC(総合1位) | doda(総合2位) | リクルートエージェント(総合3位) |
|---|---|---|---|
| 求人数の多さ | 60.02点(8位) | 71.23点(2位) | 73.78点(1位) |
| 初回面談・ヒアリング | 74.12点(1位) | 67.15点(4位) | 66.45点(5位) |
| 希望条件に合う求人紹介 | 72.43点(1位) | 66.97点(5位) | 67.19点(3位) |
| 求人紹介までのスピード | 69.04点(3位) | 69.33点(2位) | 70.04点(1位) |
| アドバイス・書類添削 | 69.22点(2位) | 66.75点(4位) | 67.99点(3位) |
| 企業との調整・条件交渉 | 75.27点(1位) | 66.89点(4位) | 66.78点(5位) |
| 転職後のアフターフォロー | 69.42点(3位) | 59.92点 (8位) | 62.32点(6位) |
| 【総合スコア】 | 71.73点 | 68.79点 | 67.60点 |
両者の総合スコア上はJACに次ぐ位置にありますが、指標別に見るとやはり強みの置き場所が全く異なることが分かります。dodaは求人数・スピードが高水準な一方、アフターフォローは59.92点で全社最下位圏。リクルートエージェントは求人数・スピードともに全社1位ですが、調整力とヒアリングはJACに約8点差で劣ります。
総合スコアだけ見ていると「JACとdodaは3点差」に見えますが、指標別に分解すると両社はまったく異なる戦略を取っていることが分かります。競合調査において総合スコアの順位比較だけで終わらせると、こうした「どこで勝っていて、どこで負けているか」が見えなくなります。各社の現在地を把握し、どの点で優位性を獲得しているか言語化することは、今後の販売戦略において重要な役割となり、調査実施の大きな価値になります。
STEP3|各社の指標を横断して分析。自社のネクストアクションを決める

最後に、総合スコアの順位だけでは見えてこない各社の個性を、指標別のデータで見ておきましょう。
| 会社名 | 総合 | 特徴・強みと課題 |
|---|---|---|
| JACリクルートメント | 71.73点 | 交渉・調整力と初回ヒアリングが全社1位。ハイクラス・専門職特化型。口コミには「担当者の親身で手厚いサポート」「面接同行・書類添削など細やかなフォロー」が挙がる |
| dodaエージェントサービス | 68.79点 | 求人数71.23点が全社2位、スピード69.33点も高水準。幅広い選択肢を求める層向け。一方アフターフォロー59.92点は全社最下位圏で、入社後サポートに課題が残る |
| リクルートエージェント | 67.60点 | 求人数73.78点が全社1位で網羅性トップ。スピード70.04点も全社1位。一方、初回ヒアリング66.45点・交渉力66.78点はJACに対して約8点差で劣る |
| リクルートエグゼクティブ | 67.18点 | アフターフォロー70.63点が全社2位と高水準。ハイクラス×定着支援の両立を図るポジション。非公開求人の充実が強み |
| マイナビAGENT | 65.82点 | 全7指標が63〜66点台に収まるバランス型。最高スコアは求人数66.21点・スピード65.99点で突出した強みはないが、「マイナビ」ブランドの安心感が利用動機になりやすい。口コミには面接当日の対面サポートが評価されている |
| パソナキャリア(パソナ) | 65.15点 | アドバイス・書類添削65.69点は全社4位と相対的に強い。一方、求人数58.48点は全社最下位。丁寧な伴走支援型のポジション |
| Adecco(アデコ) | 64.89点 | アフターフォロー73.08点が全社1位。入社後の定着支援に最も注力。口コミには「キャリアプランの相談が手厚い」「スキルアップの無料講座が魅力」との声 |
各社の指標を横断して見ると、「交渉・調整力特化型(JAC)」「求人数・スピード網羅型(リクルートエージェント・doda)」「入社後定着支援型(Adecco)」という異なる戦略が浮かび上がります。
自社が強い指標は伸ばすべき強み、自社が弱い指標は改善すべき課題です。指標の凸凹が分かれば、次に打つ手が自ずと見えてきます。
まとめ|消費者パネルとプロの視点で戦略の言語化を
消費者パネルを活用した顧客満足度調査の結果から、市場や競合の解像度を上げる方法を解説してきました。まとめると以下の通りです。
- まずは総合スコアで市場の大まかな地図を作る
- 指標を分解し各社の強みの置き場、消費者の評価ポイントを探す
- 各社の指標を横断して分析。自社のネクストアクションを決める
記事で解説した「強みの分解・戦略の言語化」といったアクションにつながる分析は、市場全体を客観的に捉える消費者パネルと、深い洞察力を持つプロの視点があってこそ実現します。競合の解像度を高めるための調査をご検討の方は、ぜひ一度ご相談ください。
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