「コンサル型リサーチ」とは?マイボイスコムの強みや哲学を紹介

「コンサル型リサーチ」とは?マイボイスコムの強みや哲学を紹介
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多忙なマーケターが求めている「ゼロベースでも、相談したら伴走してくれる」存在。それこそがマイボイスコム株式会社です。

創業以来、課題の言語化から調査設計、分析・提案まで、一人のリサーチャーが一気通貫で伴走する「コンサル型リサーチ」を貫いてきた同社。GMOリサーチ&AIの本郷専務が、代表・高井相談役 兼 ファウンダーと石田リサーチグループ長 に、その哲学と独自の強みを聞きました。コンサル型リサーチの実態を知りたい、ゼロベースで発注したいけれど不安、といった方にぜひ読んでいただきたい対談記事です。

この記事のポイント
  • 課題がぼんやりしている段階から一緒に考えてくれる、コンサル型リサーチとは
  • 学術調査シェア4割超を支える調査データ品質管理の哲学と、他社では断られる複雑な案件を受けられる理由
  • 28年分・約3,800件×1万人のアンケートデータとAIを掛け合わせた新サービス「CotoEL」が切り拓く、リサーチの新しいステージ

高井 和久
マイボイスコム株式会社 相談役 ファウンダー。伊藤忠系シンクタンク(現CTC伊藤忠テクノソリューションズ)で14年間リサーチャーとして各種リサーチに従事。その後1999年に社内ベンチャー制度でインターネット調査が中心のマイボイスコム(株)を起業し社長に就任。2026年4月から相談役。

石田 雄紀
マイボイスコム株式会社 リサーチグループ長 兼 データ事業チーム長。インターネット調査を中心に、顧客満足度調査・ブランド調査・学術調査やテキストマイニング、データ分析など多岐にわたる経験を持ち、AI分析ツールCotoELの企画・開発検討に参画。現在はリサーチグループおよびデータ事業チームの統括として携わる。

本郷 哲也 
GMOリサーチ&AI株式会社 専務取締役 兼 リサーチトレンドナビ編集長。コンサルティングファームにて12年間、マーケティングとCX(顧客体験)改革を牽引。GMOリサーチ&AI参画後はパネル・営業部門の責任者を歴任し、2022年より現職。2025年からは日本マーケティングリサーチ協会(JMRA)理事も務める。

「装置型」が席巻する中で、なぜ「コンサル型」を選んだのか?

本郷:本日はよろしくお願いします!まず、マイボイスコムさんがどういった経緯で生まれた会社なのか、改めて教えていただけますか。

高井:よろしくお願いします。私はもともと伊藤忠系シンクタンクのCRC総合研究所(現・伊藤忠テクノソリューションズ)で14年ほどリサーチャーを務めておりました。

マイボイスコム 高井相談役

マイボイスコム株式会社 高井相談役

高井:当時、「インターネットを活用したリサーチ情報サービスができるのではないか」と思いビジネスプランを社外のコンテストに提出したところ、受賞しまして。当時の社長・副社長に相談し「社内ベンチャーの制度を作るから取り組んでほしい」ということになり、1998年に社内で実験的にスタートして、翌1999年7月にマイボイスコムを設立しました。インターネット調査という概念が、まだほとんど存在しなかった時代のことです。

本郷:まさに草創期ですね。ホームページに「コンサル型」という言葉を掲げているのが印象的ですが、この方針はどこから来ているんでしょうか。

高井:私自身がリサーチャーとして長年、お客様の課題をしっかりお聞きして、設計・分析・提案まで一貫して対応してきました。リサーチとはお客様の課題解決に役立つ専門サービスであるという信念があり、システム化・分業化によって効率を追う方向には、どうしても向かえなかったのです。

本郷:その頃、競合各社は「速さ・安さ」で装置型に移行していった印象があります。

高井:正直、厳しい時期もありました。ただ、課題をしっかりヒアリングして、設計から分析・提案まで担うというスタンスだけは、どんな状況でも変えてはいけないと考えていました。それが今でも「コンサル型リサーチ」と言い続けている理由です。

担当者が変わらないことで、何が変わるのか?

本郷:マイボイスコムさんの特徴として「リサーチャーが一気通貫で対応する」とよく聞くんですが、発注者にとって具体的にどう違うんでしょうか。

高井:分業型では、設計する担当・画面を作る担当・納品する担当がそれぞれ異なるため、次にご依頼いただいた際にまた最初から状況をご説明いただくことになります。発注者側に立ってみると、同じことを何度も説明しなければならないストレスは相当なものです。

本郷:「前回こうだったから」という文脈が引き継がれない、というやつですね。

高井:そうです。当社では設計から納品まで、原則として同一のリサーチャー(メイン・サブ2〜3名体制)が一貫して担当いたします。

さらに当社では、お客様が持参された調査票案をそのまま進めることもいたしません。「この設問はもう少しこういう形の方がよいのでは」「この分析をするならこういう項目を入れておいた方がいいですよ」という介入を、お客様が設計してこられた場合でも必ず行います

本郷:それは…場合によっては嫌がられたりすることはありませんか?

高井:嫌がられることは、ほぼございません。むしろそれを求めてくださっているお客様の方が多いですね。特に大学や研究機関の先生方がそうで、研究の知見はあっても調査設計の経験という点ではわれわれに一日の長があります。複雑なご要望にも誠実に対応してきた積み重ねが口コミで広がっていき、現在では売上の4割以上が学術・研究機関からの案件となっています。

石田:先生お一人が複数の研究者と共同で取り組んでいることが多いので、「ここの対応がよかった」となると仲間の先生方へ口コミで広がっていく。その積み重ねがシェアにつながっているイメージです。

マイボイスコム株式会社 石田リサーチグループ長

マイボイスコム株式会社 石田リサーチグループ長

「他社に断られた案件」が持ち込まれる。その理由とは?

本郷:「他社で断られたんですが御社ならできますか」という相談が来ることがある、とお聞きしました。

石田:確かにそういったご相談は少なくありません。典型的なのは「インターネット調査だけで完結しない仕組み」が必要な案件です。たとえば、回答内容に応じてポイント付与先を変える、本人への謝礼と特定団体への寄付に分岐させる、という行動経済学的な実験調査や、モニターに実際のCSVファイルをメールで送付いただいた上でアンケートに答えていただく、複合型調査などです。

本郷:それって技術的に難しいんでしょうか。それとも効率が悪いから断られる、ということですか?

高井:両面あります。効率優先の体制では「イレギュラーな対応は避けたい」となりがちです。当社は「できなくはないはず」という発想で案件に向き合うことを大切にしているため、そうしたご相談が自然と集まるようになってきました。インターネット調査の複雑な制御に向き合い続けてきたノウハウの蓄積が、その土台にあります。

本郷:なるほど。御社はパネルの品質管理にもかなりこだわりがあると聞きました。

高井:自社パネルの登録項目が28項目もあるんです。一般的な登録項目は性別・年齢・居住地・職業の4項目程度ですが、家族構成・所得・学歴・住環境まで全項目にお答えいただいて初めて登録が完了します。これだけの分量に丁寧に答えてくださる方だけがパネルになっているわけですから、回答への姿勢が最初から異なります。

本郷:登録のハードルを上げることで、パネルの質を担保しているわけですね。

石田:それに加えて、登録完了後も登録データやIPアドレス等をチェックし、不正登録者をクリーニングしています。また、回収は標準的な110%に留まらず、難易度の高い案件ではそれ以上回収するケースもあります。プロのリサーチャーとして、質の低いデータを納品することはどうしてもできないのです。 

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なぜテキストマイニングも、データベースも、AIツールも自前で作るのか?

GMOリサーチ&AI株式会社 本郷専務

GMOリサーチ&AI株式会社 本郷専務

本郷:受託調査に加えて、MyEL・TextVoice・CotoELという独自プロダクトが3つありますが、なぜ外部ツールではなく自分たちで作るんでしょうか。

MyELアンケートデータベース。27年間毎月1万人規模で継続しており、現在約3,800テーマ分が蓄積
TextVoiceテキストマイニングツール。開発に3年・相当の投資を要した、直感的な定性分析ツール
CotoELAI分析ツール。約2,400万件のアンケートデータを活用し、集計・要約から施策アイデア出し、実在モニターベースのAIペルソナインタビューまで対応

高井:MyEL(アンケートデータベース)はもともと、インターネット調査が本当に有効かどうかを自ら実証するために1998年7月から始めた自主調査です。食・住・流通・金融・季節イベントなど、1カ月も欠かさず毎月1万人規模で継続し、現在では約3,800テーマ分が蓄積されています。

本郷:27年間、1カ月も欠かさず。それはすごい。

高井:TextVoice(テキストマイニングツール)は8〜9年前、定性分析ニーズが急速に高まってきた際に、自社で対応できるツールを構築しようと開発しました。想像以上に難しく、3年間・相当の投資を要しましたが、できるだけ直感的に定性分析ができるツールとして提供しています。

本郷:最新のCotoEL(AI分析ツール)も、この流れの中にあるわけですか。

高井:実は1997年のビジネスプランコンテストに出した企画に、「生活者データを集め続けてそれを活用するマーケティングサービスができるはずだ」というイメージがすでにありました。ただ、データウェアハウスの時代には技術的に実現できなかった。それがAIの登場によって、ようやく形になったのです。

本郷:27年越しの構想が実現した、ということですか。

高井:そういうことです。2012年以降の約2,400本・各1万人規模のアンケートデータが同一パネルIDで横断的に紐づいているため、AIがそれを参照して生活者意識行動の定量分析と、実在モニターをベースにしたAIペルソナへの定性インタビューができます

石田:たとえば、ある大手小売り企業様の事例では、新商品の発売半年前に10〜15名を集めて個別インタビューを実施し、販促プランを検討していたそうです。CotoELで同じことを試みたところほぼ同様の結果が得られたということで、その業務をAIに置き換えたという事例も出てきています。

本郷:定性調査の代替として機能し始めているということですね。

高井:今後はさらに、現在のCotoELに加えて、お客様独自のデータとMyELのデータをクローズドな環境でAIが紐づけて分析するサービスの提供も強化してまいります。世の中のAIが参照できるのは公開データに限られますが、当社は28年分のアンケートデータを国内で最も多く保有しています。それとお客様自身のデータを組み合わせることで、他社には提供できないサービスが実現できると確信しています。

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「調査票がなくても相談できる」——マイボイスコムはどんな発注者に向いているのか?

本郷:最後に、リサーチトレンドナビの読者に向けてメッセージをいただけますか。どういった方にぜひ問い合わせてほしいですか。

高井:調査の仕様がまだ固まっていない段階、あるいは「そもそも何を調べればいいかわからない」という段階からでも、ぜひご相談いただきたいと思います。課題から一緒に整理させていただいて、インターネット調査もオフラインの手法も含めて、最適な調査プランをご提案できます。それが当社の本来の強みです。

石田:リサーチ専任の担当者がいない中堅企業や、商品開発と兼任しながら調査を検討されている方にも多くご利用いただいています。「調査に詳しくはないけれど何か調べたい」という方にこそ、気軽にご連絡いただければと思います。

本郷:課題から一緒に考え、品質にこだわり抜く。その姿勢が27年間変わっていない、ということが今日のお話の通底にあった気がします。AIという新しい技術が加わって、どんなサービスが生まれるのか楽しみです。本日は貴重なお話をありがとうございました!

マイボイスコム株式会社

マイボイスコム株式会社

マイボイスコム株式会社は、1999年に伊藤忠系シンクタンクの社内ベンチャーとして設立されたリサーチ会社。専門リサーチャーが設計から納品まで一貫対応する「コンサル型リサーチ」と徹底した品質管理を強みとし、学術・研究機関からの信頼も厚い。独自開発のテキストマイニングツール「TextVoice」、アンケートデータベース「MyEL」、AI分析ツール「CotoEL」も提供している。

本郷 専務の視点

今回のお話を通じて、マイボイスコムさんの強みの本質は「リサーチャーが一人の人間として課題に向き合い続ける」姿勢にあると感じました。27年間一貫して「コンサル型」を貫いてきたことは、単なる方針ではなく、創業者自身がリサーチャーとして歩んできた経験に根ざした哲学です。効率化が叫ばれる中でそこをあえて変えなかったからこそ、大学・研究機関という高品質なデータを必要とする領域で4割超のシェアを獲得できたのだと思います。調査慣れしていない方でも、課題から丁寧に整理してもらえる——そうした伴走型の調査会社を探している方は、ぜひ一度相談してみてほしいと思います。

本郷専務プロフィール