アンケートの「中の人」はどんな人? 700万人が日常的に集うPowlの裏側
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「アンケートの回答者は、一体どんな思いで回答しているのか」。調査データに向き合うマーケターなら、一度は抱く疑問ではないでしょうか。
今回は、リサーチトレンドナビの本郷編集長が、ポイ活アプリ「Powl(ポール)」を運営する株式会社PTXの小室直樹社長を直撃。同社は、GMOリサーチ&AIが運営する日本最大級のパネルネットワーク「Japan Cloud Panel(JCP)」において、若年層の回収力を支える極めて重要なパートナーです。
業界全体が渇望する「若年層のアクティブ率」は、いかにして保たれているのか。その驚きの仕組みと、データ品質への徹底したこだわりを解き明かします。
- 業界が渇望する「若年層」のアクティブ率を維持できる背景は、初期の話題性と日々のUX設計にあり
- 「生活習慣」へアンケートを溶け込ませることで、ユーザー離脱を徹底的に防ぐ
- リサーチ出身者の専門性とAIのダブル活用で徹底した品質管理体制を実現
アンケートは「稼ぐため」ではなく「いつもの習慣」の一部にすぎない?
本郷: 小室さん、今日はお時間をいただきありがとうございます。改めてですが、Powlのサービスについて教えていただけますか。リサーチ業界から見ると強力な「パネル供給源」ですが、ユーザーから見ればまた違った側面がありますよね。
小室: こちらこそ、ありがとうございます。Powlは現在700万人以上の会員を抱えるポイ活アプリですが、単なる「アンケート回答アプリ」ではないんです。歩数計や移動距離、あるいは2択クイズといった、日常の何気ない動作でポイントが貯まるコンテンツを豊富に用意しています。まずはアプリを開くことが楽しくなる工夫を散りばめているんです。

Powlアプリには様々なポイ活コンテンツが用意されている
本郷: なるほど。まずは生活の中にアプリを入り込ませている。そうなると、その中でのアンケートの位置づけも変わってきそうですね。
小室: まさにそこがポイントです。ユーザーにとってアンケートは「頑張って稼ぐための重い作業」ではなく、歩数チェックの「ついで」にある習慣なんです。広告と違ってアンケートは常に在庫が安定していますし、コツコツ型のユーザーさんにとっては動画広告よりストレスフリーにポイントを得られる手段になっているのかなと思います。
業界の泣き所「若年層」がなぜPowlにはこれほど集まるのか
小室: その「ついで」の感覚が、今の10代から30代といった若い世代のライフスタイルにうまくハマったのかもしれません。

「Powl(ポール)」を運営する株式会社PTXの小室社長
本郷: 確か、会員の8割近くがその若年層ですよね。リサーチ業界全体で若年層の回収率低下が深刻な課題になっている中で、月間アクティブユーザー(MAU)が40万〜50万人もいるというのは驚異的です。
小室: 意図的に絞ったわけではないのですが、初期に「お小遣いアプリ」として学生の間で話題になった背景もあります。リリース直後からメディアで取り上げられたりした結果だと思います。
700万人規模でも高精度を誇る「品質管理」の裏側とは

リサーチトレンドナビ 本郷 編集長
本郷: 若い世代がそれだけ活発に動いているとなると、発注者側としては「回答の丁寧さ」も気になるところです。ライトな層が多い分、適当な回答が増えるリスクはありませんか。
小室:創業メンバーにリサーチ出身者がいたこともあり、品質への執着は人一倍です。元々Powlは他のポイントサービスを併用していないライトなユーザーが多いため、ポイント目当てのユーザーばかりではないと考えています。また、現在はAIを用いて、ユーザーの利用動向や回答の矛盾を厳密にチェックしています。
本郷: 媒体側でそこまで厳格なチェックをされているのは心強いですね。Powlさん側での独自チェックに加えて、弊社(GMOリサーチ&AI)でも多角的な品質管理を行っています。この「媒体×プラットフォーム」の双方からの管理があるからこそ、若年層のライトな層であっても高品質なデータが担保できているわけですね。
ユーザーの飽きによる離脱を防ぐPowlならではのUX設計とは
本郷: ただ、そうやって慣れてきたユーザーが離脱してしまうこともありますよね。
小室: はい。サービスのマンネリ化を防ぐため、定期的な新しいコンテンツの追加や、ポールブランドのゲームアプリのリリースなどの工夫を行っています。
本郷: ユーザーの飽きにも、積極的に対策を取っているんですね。
小室: そうですね。あとは、アンケートモニター専門サイトのユーザーと比較すると、やはり設問数の多いアンケートに慣れていないユーザーが多いので、サクサク回答できるものは対応されやすいです。その傾向を活用し、創業当初から行っている「2択アンケート」という自社コンテンツは1問1答形式にしていて、ユーザーはこれを通じてポイント獲得を体験し、その後、調査会社からのアンケートにも誘導される仕組みになっています。
本郷:なるほど。いきなりハードルの高いアンケートではなく、回答しやすい体験を設計することで、徐々にアンケート回答に慣れてもらう工夫をしているんですね。
まとめ
本郷: 最後に、リサーチ領域への展望と今後の課題があれば、聞かせてください。
小室: 将来的にリサーチ領域(アンケート、ウェブインタビュー、対面調査など)への参加ユーザーを増やしていく必要があると考えています。広告市場は浮き沈みが激しく、付与ポイントに影響を及ぼすため、ユーザーの長期的な利用を促すためには安定性の高いアンケート関連コンテンツへの参加を促したいです。
本郷: 広告市場の方が予算規模は大きいものの、提供数や金額はアンケートよりも波があるということですよね。当社や当社パネルを使うオフィシャル販売パートナーとしても、若年層に強いPowlパネルを今後さらに活用できるのであれば、とても頼もしいです。課題感の方はいかがでしょう。
小室: アンケートは高額ポイントが一気に得られるコンテンツではないため、全体に呼びかけても響きにくいという課題があります。そのため、ポイントをドカッと稼ぐユーザーではなく、コツコツ型のコンテンツを利用するユーザー層にアンケート回答を推奨するなど、特定のユーザー層に特化した取り組みを試行しています。
本郷: 様々なスキマバイト系アプリが台頭した現代において、UX向上による差別化の取り組みは非常に重要な観点ですよね。GMOリサーチ&AIが運用するアンケートモニターサイト「infoQ」でも同様にUX改善の取り組みを進めているので、上手くいった取り組みについてはぜひ連携させていただきたいです!
お話を伺って、私たちGMOリサーチ&AIとしても、Powlのような熱量の高いパネルを、より多くの企業の意思決定に繋げていけるよう、共に歩んでいきたいと改めて思いました。貴重なお話をありがとうございました!
Powl(ポール)
株式会社PTX(英文名 PTX,inc.)が運営する、会員数700万人突破のスマートフォン向けポイ活アプリ。「スキマ時間を価値に変える」をコンセプトに、アンケート回答だけでなく、歩数計、移動距離、2択クイズなど、日常のあらゆるアクションでポイントが貯まる仕組みを提供しています。リサーチ業界においても、そのアクティブな若年層〜30代のパネル供給力と、AIを駆使した品質管理で高い信頼を得ています。
この記事に関連するサービス
- JCP(Japan Cloud Panel)
GMOリサーチ&AIや、オフィシャル販売パートナーの調査サービスで利用されている調査パネルです。国内最大級3,500万人を超えるアンケートモニターを保有しており、国内調査会社の約8割が利用するほどの高い品質を保っています。 - Market Observer(MO)
JCPをセルフ型調査で活用したい方向けのDIYアンケートツールです。初期費用無料の従量課金制または月額制で利用できます。
本郷 編集長の視点
提携企業として長くご一緒していますが、小室社長が語る「ユーザーの生活習慣への溶け込み方」こそが、データの誠実さを生む源泉だと改めて確信しました。単純な「モニター」ではなく、現代を生きる「生活者」のリアルな声を拾えるのがPowl最大の強みですね。
