「44%が価格でアプリを使い分ける」シンガポール・フードデリバリー市場に見る、顧客維持の難所と勝機
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東南アジアのビジネスハブであり、トレンドの発信地でもあるシンガポール。この国のフードデリバリー市場はすでに成熟期を迎えていますが、その裏側ではプラットフォーム同士による熾烈なユーザー争奪戦が繰り広げられています。
Z.com Engagement Labが2025年11月に実施した調査(N=86)によると、シンガポールのユーザーの約半数が「価格」を理由に頻繁に利用サービスを切り替えている実態が明らかになりました。小規模調査のため傾向の把握として参照いただきたいデータですが、成熟市場の縮図として示唆に富む結果です。
「便利さ」だけでは繋ぎ止められない顧客を、いかにしてロイヤルカスタマー化するか。現地のデータから、成熟市場における生存戦略を読み解きます。
- 「便利」だけでは不十分: 利用者の7割を超える成熟市場では、利便性は差別化にならず、約44%が「価格比較」によってアプリを使い分けている。
- ロイヤリティの鍵になりうるのは「会員特典」: 配達スピード以上に「会員特典・ポイント還元(42.9%)」が重視されており、継続的な優遇制度が離脱防止として期待できる。
- コンテンツの独自性: 単なる安売り競争を脱する生存戦略として、「特定のアプリでしか頼めないレストラン」といった選択肢の多様性が強力な防御壁となる。
「便利」はもはや差別化要因ではない

シンガポールにおけるフードデリバリーの利用経験者は73.3%に達しており、すでに生活インフラとして定着しています。 利用理由のトップは圧倒的で、「便利で時間の節約になる(68.3%)」。次いで「キャンペーンや割引が多い(33.3%)」「自宅でレストランの味が楽しめる(31.7%)」と続きます。
ここで注目すべきは、「便利さ」はフードデリバリー利用の強力な動機ですが、どのアプリを選ぶかという場面では、キャンペーン内容や食体験といった別の要素が浮上してくる点です。言い換えれば、便利さはカテゴリー全体への入口であり、プラットフォーム間の選択はより感情的・経済的なベネフィットによって左右される可能性があります。では、ユーザーは何を基準にアプリを選んでいるのでしょうか。
調査データが示す実態:44%が「価格比較」で使い分ける市場

調査データの中で最も衝撃的なのは、ユーザーの「スイッチング(乗り換え)行動」に関する数字です。
- 44.4%が「割引や価格比較によってプラットフォームを使い分ける」
- 42.9%は「同じプラットフォームを継続利用する」
利用者の約半数にあたる44.4%が、注文のたびに複数のアプリを比較し、その時々で最もお得なサービスを選択しています 。割引や価格比較で使い分けるユーザー(44.4%)と、同じプラットフォームを継続利用するユーザー(42.9%)はほぼ拮抗しており、サンプル規模(N=86)から統計的な有意差は確認できません。
ただし、「ほぼ全員がロイヤルカスタマー」という前提が成り立たないことは確かです。価格で動く層が半数近くを占める以上、プラットフォーム設計においてその存在を無視することはできないと言えます。
「安売り競争」を超えるヒントはどこにあるか

ユーザーが「メインのアプリを乗り換える」と判断する際の決め手(トリガー)を聞いたデータに、ロイヤリティ構築のヒントが隠されています。
プラットフォーム乗り換えの主な理由
- 価格・キャンペーン内容: 63.5%
- 配達料と最低注文金額: 49.2%
- 会員特典やポイント還元: 42.9%
- レストランの選択肢の多さ: 38.1%
- 配達のスピード: 25.4%
上位2つは「価格要因」ですが、注目すべきは3位の「会員特典・ポイント(42.9%)」が、5位の「配達スピード(25.4%)」や「サービス品質(19.0%)」を大きく上回っている点です。
オペレーションよりも、継続利用を促す仕組みや選択肢の豊富さ
成熟市場において、ユーザーをつなぎ止めるヒントになり得るのは、「このアプリを使えば使うほど得をする」というメンバーシップ制度(ランク特典やサブスクリプション)による囲い込みです。
また、「レストランの選択肢(38.1%)」が重視されていることから、単純な安さだけでなく、「そこでしか頼めない店がある」というコンテンツの独自性も強力な防御壁になることがわかります。つまり、オペレーション品質より継続利用を促す仕組みや選択肢の豊富さが差別化の軸になっている可能性があるということです。
まとめ:貴社のターゲット国の「離脱トリガー」は?
シンガポールの事例からは、市場が成熟するにつれて、競争の軸が「利便性」から「経済圏・コンテンツ」へとシフトしていく様子が見て取れます。
- 価格競争は避けられないが、会員プログラムで「浮気」を防ぐ
- 「速さ」に加え、選択肢(コンテンツ)の独自性が差別化の軸になりつつある
これらが、激戦区シンガポールで見えた勝ち筋の一端です。
海外進出やマーケティング戦略を立てる際、「なぜ顧客が離れていくのか」の理由は国や地域、商材によって異なります。
シンガポール、海外調査の相談先をお探しの方へ
今回の調査(N=86)は市場の傾向を捉えるためのものですが、実際の事業戦略においては、より多角的な定量・定性調査が不可欠です。シンガポールは多民族国家であり、居住エリアや所得層によっても消費行動が大きく異なります。
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調査概要
- 実施: Z.com Engagement Lab powered by GMO Research & AI
- 調査期間: 2025年11月10日 ~ 2025年11月16日
- 調査方法: オンライン調査
- 調査対象: 16~60歳のシンガポールのインターネット利用者
- 回答数: 86
- 編集: Z.com Engagement Lab. / ShareParty Insight
- レビュー: 五味達宏
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