【事例】アイトラッキングでパッケージの問題を解決した日用品大手の成功例とは
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消費者が商品を認識し、手にとるまでの時間はわずか数秒。一瞬で自社商品を選ばせるには、パッケージの視認性が決定的な要素となります。本記事では、日用品大手企業が直面していたパッケージの課題を、株式会社NeUのアイトラッキング(視線計測技術)が解決したプロセスをご紹介。パッケージのマーケティング課題を抱える方や、NeUの支援スタイルを知りたい方におすすめの記事です。
- 従来のアンケート調査では捉えきれない、消費者の「無意識の視線行動」を可視化するNeUのアイトラッキングとは
- NeUにアイトラッキングを依頼することのメリットや特徴
- アイトラッキングによって得られた発見とは
パッケージ評価における2つの課題
パッケージ評価において、自社でその判断を完結させるのが難しい理由が2つあります。それは「客観的な判断基準が持てない」ことと、「アンケート調査やグループインタビューの限界」です。
課題①客観的な判断基準が持てない
本事例のクライアントは、既存の主力製品におけるパッケージのリニューアルを計画していました。市場での競争が激化する中で、ブランド名・機能・フレーバーなど複数の情報をより明確に消費者に伝える必要性に迫られていたためです。
そこでリニューアル案として、キャッチコピーやブランドロゴを緻密に配置した複数のデザイン候補を制作。しかし、プロジェクトチームは「どのデザイン案が最も確実にメッセージを伝えられるか」という客観的な判断基準を持てずに悩んでいました。社内の主観だけで決定することで、店頭では見落とされてしまうリスクが浮き彫りになっていました。
課題②アンケート調査やグループインタビューの限界
また、調査手法についても課題感がありました。従来手法であるアンケート調査は、消費者にパッケージをじっくり見せた上で感想を聴取します。しかし、実際の店頭において、消費者は「まずどこを見て、次にどこへ視線を移したか」を記憶していません。
購買行動の多くは無意識のうちに行われるため、事後の言語化に頼る調査では、最初の数秒間のリアルな認知行動を捉えることに限界があります。実際に、調査で高評価だったデザインが、店頭では全く視線を集められないというミスマッチが発生していました。
なぜ多くの企業で同じ課題に陥るのか
パッケージ評価において多くの企業が同様の課題を抱えているのではないでしょうか。その理由は、パッケージ評価は「店頭」という特殊な環境や、関わるセクターの数が他のマーケティングと異なることが関係しているからです。
原因①情報過多に陥っている「店頭環境」
現在のドラッグストアやスーパーマーケットの店頭は、類似する競合商品が同一の棚に無数に並んでおり、各社がパッケージ上で多種多様な機能性をアピールしています。その結果、消費者が1つの商品に対して割り当てる認知のリソースは、劇的に減少します。
つまり、どれほど優れたメッセージをパッケージに記載しても、周囲の膨大な視覚情報に埋もれてしまいます。ターゲットの視界にすら入らない店頭環境が、パッケージ開発を悩ませる原因の1つです。
原因②意思決定における「主観」の衝突
パッケージ開発の現場では、デザイナー、ブランドマネージャー、経営層など、セクターが多数存在します。それにより、立場によって異なる「主観」が衝突しがちです。それぞれが自身の審美眼や経験則に基づいて意見を主張するため、議論が平行線をたどり、デザインの決定に膨大な時間を要します。特に、客観的な検証データがない状態では、声が大きい意見や、無難な折衷案を採用する傾向が強くなってしまいます。これも多くの企業を悩ませる、パッケージ開発の実情です。
クライアントが導入した「アイトラッキング」とは

クライアントが選択した解決策は、脳科学と認知科学の知見を有する株式会社NeUをパートナー企業として選び、同社が提供する「アイトラッキング(視線計測)」を導入することでした。
アイトラッキングとは、被験者が装着したメガネ型機器により、リアルタイムで瞳孔の動きと注視点を記録する手法です。これにより、消費者がパッケージを前にした際、どこをどの順番でどの程度注視し、興味を示しているかを、客観的なデータとして抽出できます。実際の購買環境を再現した空間で、認知プロセスをミリ秒単位で計測する実験が実行されました。
NeUのアイトラッキングの特徴
店頭での認知プロセスを忠実に捉えるため、NeUのアナリストは2つのアプローチを実験に組み込みました。
1つ目は、離れた位置から棚全体を見渡した際、ターゲット商品が競合の中に埋もれず、最初に視線を引きつけられるかを検証する「中距離の視認性」です。2つ目は、商品を手に取る距離に近づいた際、パッケージ内の重要要素が意図した順番で視線を集めているかを検証する「近距離の理解性」となります。
この2段階の設計により、課題の所在を明確に切り分けました。
アイトラッキングのプロであるNeUに依頼するメリット
アイトラッキングは高い技術を要するため、調査会社に依頼するのが一般的ですが、その中でもNeUに依頼することで具体的にどのような調査ができるのか、そのメリットを紹介します。
調査目的に応じた「最適な実験デザイン」を設計
市場には簡易的な計測ツールも存在しますが、クライアントがNeUをパートナーに選定した理由は、その実験デザインの精緻さにありました。
アイトラッキング調査では、単に視線を計測するだけでは正しい結論は得られません。調査目的に応じて適切な評価手法を選択し、被験者の経験や提示順序、実施環境などの影響を考慮した実験設計が重要です。
NeUでは、調査課題に応じてクロスオーバー試験*などの手法を適切に選定し、順序効果*や環境要因などのバイアスを可能な限り排除した調査を実施します。さらに、豊富な研究実績に基づき、視線データを正しく解釈するための条件設定や検証プロセスを設計することで、信頼性の高い結果を提供します。
こうした厳密な実験デザインによって学術的根拠と実務的信頼性を兼ね備えたデータ取得ができる点が、NeUに依頼するメリットの1つです。
*クロスオーバー試験=同一の被験者が全ての条件を順番に評価する試験
*順序効果=複数の刺激を提示する場合、呈示する順序が結果に影響を及ぼす現象
認知科学の知見に基づく「データ解釈力」
アイトラッキングは、単に機器を動かして「見た、見ていない」の数値を集計するだけでは意味を成しません。NeUの最大の強みは、脳科学的なアプローチに裏付けられたデータの解釈力にあります。「なぜその順番で認知されたのか」「どこで脳に認知負荷がかかっているか」を考察できるため、表面的な数値では見えない消費者の認知プロセスを明らかにすることが可能です。
データ分析から改善提案まで踏み込むコンサルティング力
特に決め手となったのが、コンサルティング力です。「どの情報がどの順番で見られたのか」「本来見せたい情報に十分な注意が向いているか」といった店頭接触時のリアルな視認行動を定量的に分析できるだけでなく、マーケティング課題と生体データを結びつけながら解釈し、パッケージ改善の方向性まで踏み込んで提案できる実務視点は、他社との大きな差別化要素となりました。
アイトラッキングで明らかになった意外な事実と成果
制作者の意図を覆したデザインの誤算
実験の結果、明らかになった意外な事実がありました。それは、社内で最も評価の高かったデザイン案において、最も伝えたかった「機能訴求のテキスト」への視線到達率が、極めて低いということです。
消費者の視線はテキストではなく、背景デザインやカラー要素に最初に奪われていました。デザインを引き締めるために良かれと思って配置した背景要素が、無意識の視認行動においては「ノイズ」となり、重要なメッセージが認識されない原因になっていました。
客観データによる社内合意の形成
このインサイトを受け、クライアントは訴求要素の配置や視認性を再調整し、情報の優先順位を整理したパッケージ改善を実施。視線到達率が低かった情報要素について、配置・サイズ・コントラストを見直し、消費者が短時間で認識しやすいデザインへと調整しました。
また、この結果は社内のデザイン意思決定における共通認識形成にも活用されました。主観的な議論だけではなく、客観データを基にデザイン評価を行えた点が、プロジェクト推進において大きな価値となりました。

まとめ:アイトラッキングを活用し商品開発に新たな視点を
パッケージデザインにおける主観による意思決定は、店頭での見落としという致命的なリスクを伴います。アンケート調査では決して到達できない「無意識の領域」にこそ、デザインの成否を分ける真実が隠されています。NeUのアイトラッキングは、単なるデータ測定ではなく、「なぜ見られたのか/見られなかったのか」まで踏み込み、 改善案までを導き出す戦略的なアプローチであることが、本事例を通じてご理解いただけたのではないでしょうか。
不確実性を排除し、確実に店頭で機能するパッケージを開発したい企業の方は、ぜひNeUに相談してみてください。
株式会社NeU

自社のパッケージデザインが、店頭で本当に消費者の目を引いているか確信はありますか?
「社内の意見が割れて決まらない」「アンケート結果に不安がある」とお悩みなら、無意識の視線をデータで可視化し、科学的根拠に基づいてデザインを評価するアプローチが力になります。認知神経科学を活用したマーケティングリサーチのプロフェッショナルであるNeUに、ぜひ一度ご相談ください。
記事監修
株式会社NeU ニューロマーケティング ビジネスユニット マネージャー
