オンラインインタビューとは?手法の特徴・メリット・注意点を解説|おすすめ調査会社5選も紹介
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オンラインインタビューは、定性調査における有力な手法のひとつで、時間や場所を選ばず実施できるのが特徴です。リラックスした環境で率直な意見を引き出せる一方、機材トラブルや感情の伝わりにくさへの配慮も欠かせません。
本記事では、オンラインインタビューの主な調査手法や実施するメリット・デメリットに加え、向いているテーマや基本的な進め方についても詳しく解説します。オンラインインタビューに強い調査会社も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
オンラインインタビューとは
オンラインインタビューとは、離れた場所にいる対象者とリアルタイムで行う定性調査手法です。実施には、「Zoom」や「Google Meet」などのオンライン会議ツールが広く活用されています。
従来は街頭インタビューや会場調査などが中心でしたが、リモート環境の普及やコロナ禍をきっかけにオンラインインタビューが急速に広まりました。時間や場所を問わず、多様な意見を効率よく収集できる点が大きな利点です。
また、録画・画面共有・チャット機能も活用できるため、対面式に近い環境でユーザーの行動や意識などを深く理解できます。こうした柔軟性から、企業や個人を問わず幅広く支持されています。
オンラインインタビューの主な調査手法は3種類

オンラインインタビューでは、主に以下の3つの手法を目的や課題に応じて使い分けます。
- デプスインタビュー
- グループインタビュー
- AIインタビュー
この章では、それぞれの手法について特徴や利点などを深掘りしていきましょう。
デプスインタビュー
デプスインタビューでは、インタビュアーと対象者が1対1でじっくり対話し、本音や深層心理を掘り下げます。短時間で終わるアンケートやグループ討議では得られにくい「その人ならでは」の動機や価値観、潜在的なニーズを明らかにできるのが特徴です。
たとえば新商品開発など、ユーザー個人の背景や考えを丁寧に理解したいときに向いています。デプスインタビューについてより理解を深めたい人は、「デプスインタビューとは?基本手法から活用事例・おすすめ企業6社比較と費用相場も 」や「デプスインタビューのやり方・成功のコツを徹底解説」も参考にしてください。
グループインタビュー
グループインタビューは、複数人による座談会形式で行われ、意見交換を通じて参加者の多角的なアイデアや新たな視点を引き出す調査手法です。参加者同士の反応や議論の流れが、個人へのインタビューでは得られにくい生活実感やニーズの発見につながります。
一度に多くの意見を収集したい場合や、商品・サービスに対する認知や評価の広がりを把握したいときに選ばれます。
グループインタビューについては、「グループインタビューとは?メリット・進め方・調査会社10選をわかりやすく解説」で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
AIインタビュー
AIインタビューでは、その名の通りAI(人工知能)がインタビューの設計・実施・分析作業を自動化し、オンラインインタビューを支援する手法です。
従来は人が担っていた「インタビューフローの作成」「集まった大量のインタビュー結果の文字起こし」などを高速かつ正確に処理できるため、作業負担の軽減と業務効率の向上につながります。多人数の声を一度に集めやすく、調査コストの削減や分析精度の向上にも効果的です。
オンラインインタビューを実施するメリット
オンラインインタビューは、場所や時間を問わず柔軟に実施できるのが大きな特徴です。以下で、オンラインインタビューを実施するメリットについて詳しく解説します。
全国どこからでも参加可能
対面インタビューや会場調査をはじめとする従来の調査手法とは異なり、オンラインインタビューはネット環境さえあれば実施する場所を選びません。日本国内に限らず、海外在住の対象者にも容易にインタビューすることが可能です。
従来は難しかった遠方や希少なターゲット層の参加も期待でき、収集できる意見の幅が大きく広がります。移動が不要なので、参加者の負担を軽減できるのもメリットです。
時間とコストの削減
オンラインインタビューには、会場手配や交通費などのコストが発生せず、移動や設営の手間もかかりません。そのため、社内調整や準備を効率化でき、限られた予算や短納期のプロジェクトでも無駄なくリサーチを進められます。
参加者の本音を引き出しやすい環境
自宅など慣れた場所から参加できるオンラインインタビューでは、参加者の緊張感やストレスが少なくなります。リラックスした雰囲気によって自然な会話や本音を引き出しやすく、デリケートなテーマやパーソナルな内容でも率直な意見を集めやすいのがメリットです。
スケジュール調整が容易
安定した通信環境とツールさえ備わっていれば、早朝や夜間など柔軟な時間帯で実施できる点もオンラインならではの利点です。参加者やモデレーターの都合を合わせやすく、参加率向上やプロジェクト全体の効率化にも貢献します。
オンラインインタビューならではのデメリット
メリットがある一方で、オンラインインタビューならではのデメリットも存在します。オンラインだからこそ起こりうる制約を理解し、事前準備と運営の工夫でリスクを最小限に抑えましょう。
通信トラブルのリスク
オンラインインタビューは、インターネット回線に依存するため、回線の不安定さや音声・映像の遅延、フリーズなどが起こるリスクがあります。その結果、発言が重なってしまったり、聞き取りにくさからインタビューの流れが中断されてしまったりするケースも少なくありません。
また、カメラ位置・マイク性能・照明環境などの違いによって表情や声の聞こえ方が変わり、情報の質や印象に影響が出る点も注意が必要です。
非言語情報の把握の難しさ
画面越しのコミュニケーションでは、細かな表情の変化や視線などの非言語情報が把握しにくいという課題があります。対面インタビューであれば感じ取れるわずかな間合いや空気感が伝わりにくく、感情のニュアンスを読み違えたり、違和感に気づくタイミングが遅れることもあります。
そのため、発言そのものの表現に引きずられて解釈が偏りやすく、真意を捉え損ねてしまう可能性にも配慮が必要です。
グループダイナミクスの低下
グループインタビューでは、本来、参加者同士の共感や反発、雑談的なやり取りから新たな気づきが生まれるものです。しかし、オンラインではその場の熱量が伝わりにくく、自然な掛け合いが起こりづらい傾向があります。
音声のタイムラグや誰が発言しているか分かりにくい状況が重なると、1人ずつ順番に話す「報告会」のような雰囲気になってしまうこともあります。その結果、参加者同士のやり取りが弱くなり、洞察の深さや広がりが偏ってしまうケースも少なくありません。
オンラインインタビューが「向くテーマ」「向かないテーマ」
オンラインインタビューは、使い方によって得意・不得意があり、調査目的に応じて適切に選ぶことが重要です。
この章では、オンラインインタビューが「向くテーマ」と「向かないテーマ」について詳しく解説します。
向くテーマ|日常のリアルな声を効率的に集めたい調査
オンラインインタビューは、以下のような「日常のリアルな声を効率よく集めたい調査」に向いています。
- 生活実態や利用文脈の把握
- ユーザー体験(UX)の深掘り
- 地方・専門職・希少層のヒアリング
- 短期間で意見を集めたいテーマ
また、会場準備や移動が不要なため、短期間での意思決定や仮説検証が求められるテーマにも適しています。
向かないテーマ|実物や対面体験が重視される調査
「日常のリアルな声」を集めやすい一方で、「細かな反応が重要な調査」には不向きです。たとえば、以下のような調査が挙げられます。
- パッケージや質感など「実物の手触り」が重要な調査
- プロトタイプの操作性を確認するUI検証
- 対面コミュニケーションが価値になる商材の評価
実際に商品を手に取ることや対面コミュニケーションが重要な場面では、オンラインだと情報不足になりがちです。こうしたテーマは、対面やオンライン・オフラインを組み合わせた『ハイブリッド型』が望ましいとされています。
オンラインインタビューの進め方と基本5ステップ

オンラインインタビューは、基本的に以下の5つのステップに沿って行われます。
| ステップ | ポイント |
|---|---|
| 1.調査目的と仮説の明確化 | 調査設計や質問内容が的確になり、全体の進行がスムーズになる |
| 2.調査内容の設計 | ミーティングツールの選定や当日のインタビューフローの作成を行う |
| 3.対象者のリクルーティング | 条件が厳しい場合はスムーズに集まらない可能性もあるため、余裕をもってスケジュールを立てるのがおすすめ |
| 4.インタビュー調査の実施 | オンライン環境を整えつつ、リラックスした雰囲気で行うことが大切 |
| 5.調査結果の分析・レポート化 | KJ法などの分析手法を用いて結果を整理し、レポート化して意思決定に活用する |
特に、オンラインインタビューを成功させるカギとなるのが、ステップ1の「調査目的と仮説を明確化」です。初期段階を丁寧に行うことで、以降の工程がスムーズに進みます。
オンラインインタビュー実施については、「インタビュー調査とは?手法の種類とメリット・デメリット、調査会社比較まで解説」で詳しく解説しています。併せて参考にしてください。
オンラインインタビューを成功させる3つの注意点
オンラインインタビューの成功には、事前準備とモデレーターの細やかな配慮が欠かせません。成功へ導くために、3つの注意点を押さえておきましょう。
使用端末・通信環境を事前に確認する
オンラインインタビューは、従来の対面調査に比べると、通信トラブルが発生しやすい点は注意が必要です。インタビューの途中で音声や映像が途切れてしまうことは、参加者の集中力低下につながりかねません。事前に参加者の使用端末と接続環境をテストし、不具合の有無を確認しておくことが大切です。
録画・録音の同意を必ず得る
プライバシー保護の観点から、録画や録音を行う場合は参加者の同意を得ることが必須です。口頭了承だけでは不十分のため、オンライン上の同意書などで正式な合意を得てください。透明性の確保と法的リスクの回避につながります。
モデレーターは参加者の反応を丁寧に観察する
画面越しでは表情や仕草の把握が難しくなるため、モデレーターは声のトーンや話す間、言葉の節々に注意を払いましょう。発言が重なることを避けるためには、一呼吸置いた進行や、参加者が話しやすい雰囲気づくりも欠かせません。こうした繊細な気配りが、オンラインインタビューの質を左右します。
オンラインインタビューに強い調査会社5選
オンラインインタビューに強いおすすめの調査会社を5つ選定しました。それぞれの特徴を比較し、適切な調査会社選びに役立ててください。
株式会社Quest Research

参照元: 株式会社Quest Research
Quest Research(クエスト リサーチ)は、AIを使った次世代のリサーチ環境を提供する企業です。生成AI搭載の「qork(コルク)」でデプスインタビューの調査設計から分析までを完全自動化しているのが特徴で、多言語対応や大量の定性データ収集に強みがあります。
英語、中国語、韓国語などに対応しており、海外調査も日本語オペレーションで行えるので安心です。また、モデレーターの日程調整が不要で、回答者が自由に日時選択をできる点も魅力です。
ヴィアゲート株式会社

参照元: ヴィアゲート株式会社
ヴィアゲートは、AIが生活者にインタビューをする「エモミル」を開発・運営している企業です。「エモミル」は、従来にはなかったセルフ型のAIインタビューツールで、ユーザー個人の感情や意見を抽出する調査を提供します。
30言語対応で海外ニーズもカバーしているにもかかわらず、低価格かつ迅速な調査実施が可能です。動画やパッケージ評価などのクリエイティブ調査にも適しており、新規事業やサービス改善のリサーチで選ばれています。
株式会社市場開発研究所

参照元: 株式会社市場開発研究所
市場開発研究所は、1968年に設立されたマーケティングリサーチの専門会社です。「営業窓口=リサーチャー」の形を取っており、最初から最後まで1人の担当者が専任で対応します。
オンラインインタビューでは、少数精鋭の機動力でスケジュール変更や緊急案件にも迅速な対応が可能です。また、自社会場を完備しているため、オンラインだけでなく対面調査も柔軟に実施できます。
株式会社ネオマーケティング

参照元: 株式会社ネオマーケティング
ネオマーケティングでは、「インサイトドリブン®」など独自の新商品開発支援サービスを提供しています。オンライン・デプス・グループインタビューに加え、セルフオンラインによるインタビュー実施も可能です。
また、ホームユーステストを実施しながらオンラインインタビューを行い、より洞察を深掘りする「組み合わせ調査」にも強みを持っています。短納期かつ低価格の「SWIFT」パッケージを提供しているのもネオマーケティングの特徴です。
株式会社クロス・マーケティング

参照元: 株式会社クロス・マーケティング
クロス・マーケティングは、広範な調査リソースと洞察力を強みに、リサーチ業界をけん引している企業です。年間調査実績1万件以上と国内外で豊富な実績を持つ老舗で、1,300万人以上のアンケートパネルを所有しています。
通常インタビューに加え、AIチャットインタビュー「Light Depth(ライトデプス)」を展開しているのもクロス・マーケティングの特徴です。会場調査・ホームユーステスト・店頭面接など、多様な調査手法で幅広いニーズに対応しています。
まとめ|オンラインインタビューを成果につなげるには
オンラインインタビューは、場所や時間の制約を超えて生活者のリアルな声を収集できる定性調査手法です。手法の特徴・メリットと併せて、向く・向かないテーマや進め方、注意点を押さえることで、短期間でも質の高いインサイトを得られます。
自社だけでの実施が不安な場合は、プロの力も上手に活用しながら、目的に合った設計と運営を行いましょう。
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