モニター調査とは?方法・流れ・費用まで丸わかりガイド|おすすめ調査会社9選
目次

「モニター調査」は、商品開発やサービス改善に欠かせません。消費者のリアルな声や使用体験を直接収集できるため、開発段階の課題把握やマーケティング戦略に大いに役立ちます。

本記事では、モニター調査の基本から手法、実施の流れ、おすすめの調査会社などをご紹介します。モニター調査をこれから始めたい方はぜひ参考にしてください。

モニター調査とは

モニター調査とは、商品やサービスについて消費者の声を集める調査手法です。商品やサービスを実際に利用してもらい、感想や意見を収集します。利用者の率直な意見を集めることができ、品質改善や新商品開発、販売促進などに役立ちます。

モニター調査では、対象者の属性を、年齢・性別・居住地などに分けて実施することが一般的です。

モニター調査の主な方法5つ

モニター調査の主な方法

モニター調査の方法には、いくつか種類があります。ここでは代表的なモニター調査の方法を5つ解説します。

ホームユーステスト(HUT)

ホームユーステスト(HUT)とは、参加者の自宅で実際に商品を使用してもらい、その使用感や満足度、改善点などを評価する調査方法です。

生活環境でのリアルな反応を把握できるのが特徴で、継続的なフィードバックを得られます。企業は、消費者の生の声を商品開発や改良に活かすことができます。

ホームユーステストは、一定期間使用しないと使用感がわからない商品や、自宅で使用することが前提の商品などの評価を集めるのに適しています。

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会場調査(CLT)

会場調査(CLT)とは、会場に参加者を集め、商品やサービスを実際に体験してもらい、その場で評価や意見を収集する調査方法です。条件を統一した環境で比較評価できる点が特徴です。

会場調査では、体験直後の反応を確認できるため、鮮度の高いデータが得られます。試食や試用、映像視聴など、五感を使ったリアルな評価を得ることも可能です。

【関連記事】会場調査(CLT)とは?費用相場・手法・主要5社の調査方法比較まで徹底解説

デプスインタビュー

デプスインタビューとは、調査対象者と1対1でじっくり対話を行う、定性調査の一つです。消費者の行動や意識の背景にある深層心理や本音を探ることが可能です。

自由回答形式で進めるため、アンケートでは得られない潜在的なニーズや価値観を把握でき、商品開発やマーケティング戦略に活用できます。

【関連記事】デプスインタビューとは?基本手法から活用事例・おすすめ企業5社比較と費用相場も

グループインタビュー

グループインタビューとは、複数の参加者を一箇所に集め、司会者の進行で自由に意見交換をしてもらう定性調査の一種です。多様な視点の意見を効率的に収集できます。

参加者同士の会話から新たな気づきや、潜在的なニーズが引き出されやすい点が特徴です。一方で、同調圧力による意見の偏りには注意が必要です。

【関連記事】グループインタビューとは?メリット・進め方・調査会社10選をわかりやすく解説

ネットリサーチ

ネットリサーチとは、インターネットを通じて行う市場調査の総称で、アンケートやモニター調査、オンラインインタビューなどが含まれます。紙や電話による調査よりも、短期間で多くのサンプルを集められるのが特徴です。

コストを抑えつつ消費者の意識や行動、需要などを把握でき、マーケティングや商品開発に広く活用されます。

モニター調査を活用するメリット・デメリット

メリット・デメリット

モニター調査を有効活用するためにも、メリット・デメリットをしっかりと把握し、調査を実施することが重要です。

メリット

モニター調査のメリットは、調査対象者から率直な意見が聞けることです。モニター調査で集まった声は、以下のようなマーケティング戦略に活用できます。

  • 商品開発
  • サービス改善
  • 顧客満足度の向上
  • 認知度アップ

モニター調査にはさまざまな手法があります。実際に調査を行う際は、調査目的・対象商品・得たい情報の深さなどに応じて、適切な手法を選ぶのが効果的です。

デメリット

モニター調査のデメリットとして、調査設計や運営にコストと手間がかかる点が挙げられます。さらに、多様な手法の中から特徴を理解して選ばなければ、求めるデータが得られない可能性もあります。

また、試作品や新商品を扱う場合には、情報漏洩のリスクが伴うため、SNSへの掲載を禁じるなどの適切な管理体制を整えることも必要です。

モニター調査の基本的な流れ【4ステップ】

モニター調査は、調査会社に依頼するのが一般的です。モニター調査の基本的な流れを4ステップに分けて解説します。

1.調査企画・設計

まずは、モニター調査の目的や対象、取得したい情報を明確化します。どのようなデータが必要かを具体的に定めることで、効率的な調査設計が可能です。検討すべき主なポイントは以下のとおりです。

  • 目的(商品改善、新商品開発、消費者満足度の把握など)
  • 対象者(年齢、性別、使用経験など)
  • 取得したい情報(使用感、満足度など)
  • 調査期間や規模、予算

これらのポイントを事前に整理しておくことで、調査の精度と実効性を高められます。

2.調査方法の選定

企画・設計の段階で明確にした目的や対象に基づき、最適な調査方法を選びます。調査方法は、目的だけでなく、予算・ターゲット層・実施期間といった条件によっても変わります。

主な調査手法は、ホームユーステスト(HUT)、会場調査(CLT)、デプスインタビュー、グループインタビュー、ネットリサーチなどです。各調査方法の特徴を理解し、適切な調査方法を選びましょう。

3.調査の実施

選定した調査手法に基づき、モニター調査の参加者に商品やサービスを実際に体験してもらいます。

モニター調査は、多くの場合、専門知識やスキルを持つ調査会社に依頼して実施します。調査会社に依頼することで、客観的で信頼性の高い結果を得られるほか、自社で実施した場合に起こりやすい主観的な偏りを避けられるのが利点です。さらに、調査の設計から実施・分析までを一括して任せられるため、自社で手間をかけて対応する必要がなく、工数削減にもつながります。

4.データ集計・分析

モニター調査で収集したデータは、まず集計し、その結果から回答の傾向やパターンを分析します。年齢や性別など複数の項目を組み合わせたクロス集計などを行うと、より詳細な分析が可能です。

データ集計や分析には専門的な知識やスキルが必要となる場合がありますが、調査会社に依頼すれば、詳細な分析結果をレポートとして受け取ることができます。

モニター調査の費用・謝礼相場

モニター調査にかかる費用は、調査手法や調査対象数によって異なります。費用は以下の表を参考にしてください。

調査方法調査対象数費用
ホームユーステスト(HUT)30名60万円〜
会場調査(CLT)30名70万円〜
デプスインタビュー5名/各60分100万円〜
グループインタビュー1グループ(4名)/120分40万円〜 
ネットリサーチ(アンケート)500名25万円〜

また、謝礼金額は調査の難易度によって差異があります。インタビュー調査や会場調査の場合は、1名あたり数千円が相場です。なお、謝礼は上記の調査費用に含まれるのが一般的です。

モニター調査を依頼する会社を選ぶ際のチェックポイント

調査会社によって、提供しているサービスや料金はさまざまです。納期やコストだけで調査会社を決めてしまうと、求めていた結果が得られないこともあります。複数の調査会社を比較し、検討するのがおすすめです。

モニター調査を調査会社に依頼する際は、下記ポイントを確認しましょう。

  • 対応できる調査手法が豊富か
  • モニターの質や属性が明確か
  • 費用の内訳がわかりやすいか
  • 調査設計から分析まで対応可能か

条件を満たす調査会社を選定することで、調査の質と結果を向上させることが可能です。

モニター調査を依頼するなら?おすすめ調査会社9選

モニター調査のおすすめ調査会社9選を紹介します。各社の特徴を知ったうえで、自社の目的に合った調査会社を選定してください。

株式会社日本リサーチセンター

日本リサーチセンター

参照元:株式会社日本リサーチセンター

株式会社日本リサーチセンターは、1960年設立の老舗総合調査会社です。長年の経験と実績を活かし、オフラインからオンラインまで多様な調査手法に対応しています。

ネットリサーチ、ホームユーステスト(HUT)、郵送調査、訪問調査、会場調査などの調査を依頼できます。調査企画から集計・分析までを一貫して任せられます。

世界60か国以上の調査機関と連携した海外調査も強みとしており、マーケティングリサーチから世論調査まで幅広い顧客の課題解決が可能です。

株式会社ネオマーケティング

株式会社ネオマーケティング

参照元: 株式会社ネオマーケティング

株式会社ネオマーケティングは、市場調査からコミュニケーション戦略、カスタマーサポートまでワンストップで対応できるマーケティング支援会社です。

国内最大規模のアンケート会員2,889万人を保有しており、希望の調査対象条件に合致するモニターに調査を行える点が強みです。

定性調査・定量調査問わず、ネットリサーチ、デプスインタビュー、グループインタビュー、オンラインインタビュー、ホームユーステスト(HUT)、訪問観察調査など、幅広いリサーチ手法を提供しています。

株式会社Quest Research

株式会社Quest Research

参照元: 株式会社Quest Research

株式会社Quest Researchは、アンケート結果の集計から示唆出しまでワンタッチで分析できるサービス「コミエル」や生成AIが自動で深掘りするオンラインインタビューサービス「qork」など、ネットリサーチに強みを持つ調査会社です。

「生活者の声をもっと身近に」することを目指し、調査スピードを飛躍的に高めて、効果的に生活者の声を企業に届けるサービスを展開しています。オフラインでのデプスインタビュー、グループインタビューにも対応しており、豊富な調査手法に対応している点も特徴です。

マイボイスコム株式会社

マイボイスコム株式会社

参照元:マイボイスコム株式会社

マイボイスコム株式会社は、インターネット調査を中心に高品質なリサーチを提供しているリサーチ会社です。ヒアリング調査、グループインタビュー、会場調査、など、多様なオフライン調査も提供しています。

約120万人の自社モニター「マイボイスパネル」を活用している点、リサーチャーが一貫して調査をサポートしている点などが特徴として挙げられます。マイボイスコム株式会社は、BtoC分野と学術調査に強いリサーチ会社です。

株式会社フォリウム

株式会社フォリウム

参照元: 株式会社フォリウム

株式会社フォリウムは、調査の企画から設計、対象者リクルート、実査、レポート作成までをワンストップで依頼できるリサーチ会社です。マーケティングリサーチの専門スタッフ約250人体制で、年間4万件のリサーチ実査実績を誇っています。

さまざまな調査設定における個別の依頼にも対応しており、よりきめこまやかな対応が期待できます。

日本インフォメーション株式会社

日本インフォメーション株式会社

参照元: 日本インフォメーション株式会社

日本インフォメーション株式会社は、自社会場を保有し、会場調査に強みを持つ調査会社です。会場調査(CLT)、ホームユーステスト(HUT)、インターネットリサーチ、グループインタビュー、デプスインタビューなど、多種多様なモニター調査に対応しています。

「機縁リクルート網」と「WEBモニター網」を活用した業界最大級の生活者リクルートネットワークを保有しており、難しい条件の対象者への調査も実現可能です。

株式会社クロス・マーケティング

株式会社クロス・マーケティング

参照元: 株式会社クロス・マーケティング

株式会社クロス・マーケティングは、国内最大規模の1,285万人のアンケートパネルを保有しているリサーチ会社です。

年間調査実績は10,000件以上で、多くの経験と実績から安心して調査を任せられます。経験豊富なリサーチャーが多数在籍しており、マーケティングの課題解決に適切なリサーチ企画を立案してくれます。

楽天インサイト株式会社

楽天インサイト株式会社

参照元: 楽天インサイト株式会社

楽天インサイト株式会社は、約220万人の自社パネルを対象としたオンラインアンケートを提供しているリサーチ会社です。

パネルのアクティブ率が高く、大規模調査やリーチしづらい対象者への調査が行える点が魅力です。大規模な自社パネルやAIを活用したチャットインタビューを実施しているなど、独自の調査方法を持っています。

株式会社インテージ

株式会社インテージ

参照元: 株式会社インテージ

株式会社インテージは、多様なリサーチ手法と豊富な保有データ、最新のデータ活用技術を駆使してサービスを提供しているリサーチ会社です。

マーケティングリサーチ、データ解析・予測、マーケティング支援、マーケティングDXなど、多角的なソリューションを提供しています。業界専門性の高いアナリストによる質の高いリサーチと分析力が魅力です。

まとめ|モニター調査をマーケティングに活かそう

モニター調査とは、消費者のリアルな声や使用体験を収集するのに有効な手法です。調査目的に応じて調査手法を選び、企画・実施・分析までを丁寧に行うことで、商品改善や新商品開発、マーケティング戦略に役立ちます。

費用や手間、情報管理の注意点も理解し、適切に運用することが成功の鍵となります。