市場調査とは何か?手法や実施のコツを解説|比較したい市場調査会社12選

市場調査は、ビジネス戦略や新商品開発に欠かせない情報収集の手段です。本記事では、市場調査の基本や代表的な手法、実施時のコツを解説するとともに、市場調査会社12社を紹介します。
市場調査とは
市場調査とは、消費者や市場の動向を把握し、商品・サービスの開発や販売戦略に活用するための調査活動です。マーケットリサーチとも呼ばれ、定量調査や定性調査などの手法を用いて、意思決定に必要な客観的データを収集します。自社で市場調査を実施するには、膨大な時間と労力がかかるため、専門業者に依頼するケースも多く見られます。
市場調査の代表的な手法
市場調査の代表的な手法「定量調査」「定性調査」について解説します。
定量調査
定量調査とは、数値データを用いて傾向やパターンを把握する調査手法です。回答の割合や平均値、購買頻度などの客観的データを統計的に分析し、消費者動向や市場規模を明確にすることが可能です。
定量調査の主な手法には、インターネット調査(ネットリサーチ)、会場調査、ホームユーステストなどがあります。多数の対象者からデータを集めることで、信頼性や再現性が高まり、マーケティング戦略や商品開発の意思決定に役立ちます。
定性調査
定性調査とは、ユーザーの声や行動を深く理解するための調査手法です。消費者の意識や価値観、行動の背景など、数値では捉えにくい情報を明らかにします。
定性調査の主な手法には、グループインタビュー、デプスインタビュー、行動観察調査(エスノグラフィー)、アイトラッキング調査、MROC(エムロック)などがあります。定量調査と組み合わせることで、数字だけでは把握できない消費者心理を明確化することが可能です。
【関連記事】定性調査の基本と定量調査との違い|手法の特徴やメリット、調査会社8選
市場調査とマーケティングリサーチの違い

市場調査とマーケティングリサーチは似た言葉として使われますが、調査の範囲や目的には明確な違いがあります。
市場調査は、市場の規模や動向を把握する調査を指します。一方、マーケティングリサーチは、市場調査を含むより広い概念です。消費者理解や広告効果測定、商品テストなどマーケティング活動全般を支える調査を意味します。
マーケティングリサーチの中で市場調査が重要な役割を担っているという位置づけを正しく理解し、目的に応じて適切に活用することが大切です。
【関連記事】マーケティングリサーチとは?代表的な手法とおすすめ調査会社6選
市場調査を行う際の3つのポイント
ここでは、実際に市場調査を行う際の3つのポイントをご紹介します。
調査目的を明確にする
市場調査を行う際は、まず調査目的を明確にすることが重要です。「何を知りたいのか」を具体的に定めることで、ターゲット層のニーズ把握、競合動向の確認、売上予測など、必要なデータや手法を適切に選べます。目的が曖昧だと、収集した情報が十分に活用できず、時間やコストの無駄につながる可能性があります。
適切な調査手法を選定する
市場調査を行う際は、適切な調査手法を選ぶことが欠かせません。定量調査(アンケートなど)は数字での傾向把握、定性調査(インタビューなど)は、消費者の深い意識や行動の理由を理解するのに適しています。調査目的に応じて、定量調査と定性調査を組み合わせるのも効果的です。
調査手法を選ぶ際は、サンプル数や調査期間、費用とのバランスを考慮する必要があります。
調査会社を比較・選定する
自社でリソースやノウハウが不足している場合、調査会社に依頼するのが有効です。依頼する調査会社によって、得られる結果は異なります。得意分野や手法、料金体系が異なるため、複数社を比較して選定することがポイントです。過去の実績や調査の精度、サポート体制を確認することで、目的に合った調査結果を得やすくなります。
失敗しない!市場調査会社の賢い選び方

市場調査会社を選ぶ際に、押さえておくべきポイントがあります。ここでは、調査会社選びの参考になる、賢い選び方を解説します。
調査会社のタイプ
市場調査会社には、さまざまなタイプがあります。調査会社のタイプを4つ表にまとめました。
タイプ | 特徴 |
---|---|
大手総合型 | ・豊富な手法や大規模案件に対応 ・経験豊富なリサーチャーが在籍 |
ネットリサーチ | ・インターネットを通じてアンケート調査などを実施 ・スピードと低コストに強み |
分野特化型 | ・医療、教育、ITなど専門知識を活かした調査が可能 ・専門分野における高品質な結果収集 |
海外調査対応型 | ・グローバル市場や特定国でのリサーチに対応 ・翻訳対応や海外進出戦略立案サポート |
調査会社のタイプを把握し、自社の課題に合うかを判断できるかが重要です。
パネルの質と数
調査会社が保有するパネルの質と数は、データの信頼性に直結します。登録者数が多いほど条件に合う対象者を確保しやすく、回答の偏りを防ぐことが可能です。
属性情報が細かく整備されていると、ターゲットをより正確に絞り込めます。また、国内および海外パネルの有無や信頼性についても確認することが大切です。
調査手法の対応範囲
調査手法の対応範囲を確認する際は、オンラインアンケートやグループインタビューなど複数の手法に対応しているかに加え、調査の設計から分析、報告まで一貫して任せられるかどうかも確認しておくと安心です。
費用相場の確認
市場調査にかかる費用は、内容や規模によって大きく異なります。依頼する際は複数社から見積もりを取り、費用相場を把握しておくことが大切です。料金だけでなく、調査設計や分析・報告の質、サポート体制も比較します。
対象者が集まりにくかったり翻訳が必要になったりする場合は、追加料金が発生することもあります。調査会社の選定では、コストと成果のバランスが取れた会社を選ぶことが重要です。
市場調査におすすめの大手調査会社4選
幅広いサービスと大規模な実績を持つ、市場調査におすすめの大手調査会社をご紹介します。
株式会社ネオマーケティング

参照元: 株式会社ネオマーケティング
ネオマーケティングは、累計取引実績が3,000社以上と豊富な実績があり安心して調査を任せられます。提携を含め2,889万人を超えたアンケートパネルを保有している点が魅力です。
定性調査・定量調査の幅広いリサーチ手法を提供し、費用対効果の高さに定評があります。新商品開発リサーチ「インサイトドリブン®」など独自サービスも提供し、斬新かつ顧客視点のアイディアが得られます。
株式会社日本リサーチセンター

参照元:株式会社日本リサーチセンター
日本リサーチセンターは、1960年設立の歴史ある総合調査会社です。調査設計から成果物の作成まで一貫して任せられます。
国内だけでなく海外調査にも対応しており、複数の調査手法を活用できる「ミックスモード」があるのも特徴です。自社のアンケートパネルを保有し、定期的に不正回答者の抽出を行うなど信頼性が高く安心感があります。
株式会社マクロミル

参照元: 株式会社マクロミル
マクロミルは、業界トップクラスの品質と数を誇るパネルネットワークを活用しています。株式会社マクロミルのノウハウがつまったセルフアンケートツール「Questant」では、手軽にアンケート調査の実施が可能です。
豊富なテンプレートや分析ツールを活用することで、初心者でもスムーズに利用できる点が魅力です。
株式会社クロス・マーケティング

参照元: 株式会社クロス・マーケティング
クロス・マーケティングは、自社のセルフアンケートツール「QiQUMO」「Global QiQUMO」を提供しています。低コストで直感的な操作ができ、アンケート作成から分析までを自社で完結できます。
即日アンケートを実施できる点も特徴です。事前抽出アンケートを実施することで、本調査の条件に合った対象者を探すことが可能です。
ネットリサーチに強い調査会社3選
インターネット調査を中心に、独自のパネルやAI技術を駆使して効率的かつ質の高いデータ収集を行う調査企業をご紹介します。
マイボイスコム株式会社

参照元:マイボイスコム株式会社
マイボイスコムは、インターネットを中心に、高品質で柔軟なリサーチ力に定評があります。データクリーニングの徹底など、データの信頼性も高い点が特徴です。
「マイボイスパネル」と呼ばれる約120万人の自社モニターを保有し、詳細な属性情報に基づきターゲットを抽出できます。大手企業のマーケティング調査や大学の学術調査に利用されている実績もあります。
ヴィアゲート株式会社

参照元: ヴィアゲート株式会社
ヴィアゲートは、AIとデータを用いた調査と分析が行えるのが特徴です。生活者の「本音(インサイト)」を収集・分析するプラットフォーム「emomil」を提供し、顧客の深い興味関心や感情、行動背景の特定に役立ちます。
GMOリサーチ&AI社の国内外の大型パネルネットワーク(国内3,000万人、海外130カ国4億人)も活用できる点が魅力です。
楽天インサイト株式会社

参照元: 楽天インサイト株式会社
楽天インサイトでは、大規模自社パネルを活用したインターネットリサーチが可能です。パネルのアクティブ率が高く、リーチしづらい対象者への調査も得意としています。
事前にモニターへ実施した別の調査結果を活用し、さまざまな方向から調査結果を分析できる点も特徴です。
特定分野特化の調査会社3選
特定の調査手法、技術、領域に専門性を持つ調査企業をご紹介します。
株式会社Brandism

参照元: 株式会社Brandism
Brandismは、ブランド・マーケティングに特化したコンサルティング会社です。
独自手法「BrandPowerAnalytics(ブランドパワー分析)」を活用し、ブランド力を数値化して競合ブランドとの比較・分析を行います。リサーチから新規事業やブランド開発まで、一貫した支援を提供しています。
株式会社NeU

参照元: 株式会社NeU (ニュー)
NeUは、脳科学とICTを活用したニューロマーケティングに強みを持つ企業で、市場調査にも役立つサービスを提供しています。
脳活動や視線、心拍などの生体データを計測し、従来のアンケートでは把握しづらい無意識下の反応を可視化できる点が特徴です。調査設計から解析まで一貫対応しており、消費者の本音や感覚を深く理解できます。
日本インフォメーション株式会社

参照元: 日本インフォメーション株式会社
日本インフォメーションは、経験豊富な専任のリサーチャーによる高品質なリサーチ運営が強みの調査会社です。
柔軟で安定したオペレーションや高度な集計分析力にも定評があります。オンライン調査やオフライン調査など、幅広い調査手法に対応しており、自社の調査目的に合った方法を相談できます。
海外市場調査が得意な調査会社2選
グローバル展開を目指す場合におすすめの、海外の市場調査が得意な調査会社を2社ご紹介します。
株式会社Quest Research

参照元: 株式会社Quest Research
Quest Researchは、調査のスピード感に強みがあるリサーチ会社です。AIを活用した分析・調査運用の効率化を推進しており、設問設計から結果報告までスピーディかつ高品質なサービスを提供しています。
海外インタビューも24時間で30サンプル回収した実績があり、コストを抑えてスピーディに海外調査を実施できる点が魅力です。
シーエスジー株式会社

参照元: シーエスジー株式会社
シーエスジーは、海外インタビュー調査を得意とするリサーチ会社です。アメリカ、イギリス、中国など、世界150ヵ国に現地在住の日本人リサーチャーを活用できる点が大きな強みです。
現地生活者へのオンライン調査・オフライン調査を実施し、各国の文化や生活習慣、トレンド情報を深くヒアリングできます。
市場調査会社の選定はビジネス成功の分岐点
市場調査は、事業戦略や新商品の成否を左右する重要なプロセスです。信頼性の高い調査結果を得るためには、調査会社の比較も欠かせません。
得意分野や調査手法、パネルの質、費用などを総合的に判断し、自社の目的に合った調査会社を選ぶことが大切です。
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