会場調査(CLT)とは?費用相場・手法・主要5社の調査方法比較まで徹底解説

新商品を出すたびに「この方向性で本当に良いのか?」と不安になることはありませんか?
社内の感覚だけでは判断しきれない“消費者のリアルな声”を拾いたい──。そんなときこそ、会場調査(CLT)の出番です。
なぜなら、会場調査(CLT)は実際に商品を体験してもらい、五感を通じた印象や使用感などを定量的に測定できる調査手法だからです。この記事では、会場調査(CLT)の仕組みや種類、調査会社の選び方まで詳しく解説しています。
会場調査(CLT)とは?リアルな声を集める調査の仕組み

- 参加者を特定の会場に集め、商品やサービスを体験してもらう
- 調査は統一された環境下で実施され、外的要因の影響を最小限に抑えられる
- 対象者の体験直後の反応を確認できるため、鮮度の高いデータが得られる
- 試食・試用・映像視聴など、五感を使ったリアルな評価が可能
- インタビューを組み合わせて、定量・定性の両面から分析することもできる
会場調査(CLT:Central Location Test)は、調査対象者を会場に集め、商品を実際に使用・試食してもらったり、広告を視聴してもらったりすることで反応を測定するマーケティング調査手法です。
この方法では、全ての参加者が同じ場所・同じ方法で調査に参加するため、外部環境による回答への影響を抑えることができます。
その結果、商品の純粋な評価を得やすくなり、データの一貫性と信頼性が高まります。
例えば、新商品の味を比較する調査では、温度や器、提供タイミングを統一することで、製品以外の要素による印象の偏りを抑え、商品そのものに対する「純粋な評価」を引き出すことができます。
ここで得られる「純粋な評価」とは、温度や提供タイミングなどの調査環境による影響を排除し、商品やパッケージなどに対する消費者の印象や評価を指します。
会場調査を通じて、消費者が商品に抱く第一印象や使用感、味・香りの評価、デザインに対する受け止め方など、五感に基づくリアルな反応を具体的に把握することが可能です。
特に「生活者のリアルな声を集めたい」「五感に基づいた体験評価を重視したい」と考える企業にとって、会場調査は有力な選択肢となります。
実はこんなに多くのことが分かる!会場調査(CLT)で明らかになるポイントとは
調査項目 | 具体的に分かること | 活用される場面 |
---|---|---|
第一印象の評価 | パッケージ・見た目・香りなどの印象 | 新商品の発売前評価 |
使用感・味・香りの反応 | 使い心地(触感・操作性)、味の濃さ、香りの好み | 改良品や試作品の検証 |
他商品との比較評価 | 競合製品との相対的な満足度 | ポジショニングの見直し |
広告・コンセプトの受容性 | 広告表現や訴求内容の共感度 | プロモーション戦略の判断 |
会場調査の大きな特長のひとつが、複数の商品を同一条件下で並列に評価できる点です。
たとえば競合製品と自社製品を比較することで、「自社製品の方が香りは良いが、後味が重い」といった細かな差異が明確になります。
このような比較評価を通じて、消費者が商品を選ぶ際に重視している要素や選好傾向を把握することができます。
その結果、製品改良の優先順位や広告で訴求すべきポイントを的確に設定できるようになり、「味の調整を先に行い、訴求軸は“すっきりとした飲みごこち”に変更する」といった戦略判断につながります。
使い分けがカギ!会場調査の活用シーンを一挙解説

調査内容 | 主な目的 | 活用シーン | 得られるメリット |
---|---|---|---|
製品テスト | 味・香り・使い勝手_などの体験評価 | 新商品の開発・改良前検証 | 使用感や品質に対する率直な評価が得られる |
コンセプトテスト | 商品やサービスの受容性評価 | 企画段階のコンセプト検証 | 市場ニーズとのズレを初期に発見できる |
広告テスト | 広告の印象や理解度の把握 | キャンペーン前の表現確認 | ターゲットに響く表現へブラッシュアップできる |
パッケージテスト | 見た目・分かりやすさの評価 | 発売直前の最終チェック | 購買意欲を左右する外観を最適化 |
比較テスト | 他社製品との相対評価 | 競合優位性の把握 | 自社商品の差別化ポイントを明確にできる |
会場調査は上記のように、評価対象や課題に応じてさまざまな形で活用されています。
「製品テスト」は、飲料、スキンケア用品、洗剤、文房具など、実際に“手に取って体験”しないと評価が難しい商品に対して非常に効果的です。
「ドリンクの飲みごこち」「化粧品の香りやテクスチャー」「ボールペンの書きやすさ」など、五感に関わる評価項目は、オンライン調査だけでは十分に把握できないため、会場で実際に試用してもらうことで、使用直後の印象やリアルな感想をその場で取得できます。
「コンセプトテスト」は、まだ実物が存在しない企画段階の商品やサービスのアイデアに対して行われます。
「こんなデザインの家電があったらどう思うか」「〇〇を定額で使えるサービスは利用したいと思うか」といった、アイデアベースの価値提案に対して、ターゲットがどのように受け止めるのかを確認する手法です。
「広告テスト」では表現の伝わり方や印象、「パッケージテスト」では購買意欲への影響など、それぞれの手法に特化した成果が期待できます。
このように会場調査は目的別に調査手法を使い分けることで、単なる意見収集にとどまらず、新商品開発などの「次の一手」に直結する具体的なインサイトを得ることができます。
会場調査(CLT)会社5社を徹底比較!目的・規模・スピードで選ぶならどこ?
会社名 | サービス内容 | この会社の優位性 | おすすめな人 |
---|---|---|---|
日本リサーチセンター | 調査企画~レポートまで一気通貫で対応。自社会場を持ち、機密性の高い調査にも対応。 | 経験豊富な専門スタッフが、バイアスのない高品質な調査を設計・進行。 | 初めて会場調査を実施する企業/設計・企画段階から相談したい人 |
日本インフォメーション | IT技術と組み合わせてリサーチを行うことで、付加価値の高いリサーチを提供 | 2つのリクルート手法を活用し、難易度の高いターゲットへの調査が可能。デプスインタビューなどとの組み合わせ調査も得意。 | 定性調査との組み合わせでインサイトを得たい方/複雑なターゲティングが必要な調査に |
インパクトフィールド | 五感評価、ネーミング・コンセプト検証、街頭リクルート型も対応 | 対面中心の丁寧なヒアリング、短納期・柔軟対応に強み | スピードと対応力重視の企業/小規模かつリアル重視の調査をしたい人 |
マクロミル | 試食・試飲、パッケージ調査、模擬棚による購買行動観察、オンラインCTL | 自社会場+提携多数、調理対応設備あり、競合品との比較調査も柔軟 | 全国規模で実施したい企業 |
クロス・マーケティング | 食べ比べ、リニューアル評価、タブレット活用、定性・定量の組み合わせ | 50名体制の専属調査員、調理CLT・100歳リクルートなど特殊対応も可能 | 柔軟な設計を求める企業 |
会場調査(CLT)は、目的や対象者、製品の特性に応じて最適な調査会社を選ぶことが、調査結果の質と実用性を大きく左右するため、パートナー選びが成功のカギになります。
日本リサーチセンター|オンライン・オフラインどちらでの調査できる対応力

参照元: 株式会社 日本リサーチセンター
日本リサーチセンターは幅広い調査方法とノウハウを有しており、複数の調査対象を抱える企業には最適の調査会社。
調査内容に合わせて経験豊富な調査員が最適な調査の設計を行い、スムーズな調査運営を行います。
幅広い調査対象を持つ企業にとって、心強い選択肢となるでしょう。
日本インフォメーション株式会社|経験豊富なリサーチのプロが多数在籍

参照元: 日本インフォメーション株式会社
日本インフォメーション株式会社は幅広いジャンルの調査に対応できる人材と体制を持っており、自社の課題が見えていない企業の相談先として最適な調査会社です。
ただのデータ提供ではなく意思決定に役立つConsumer insightsの提供を心掛け、経験豊富なリサーチャーによる普遍的なリサーチのノウハウと、IT技術を掛け合わせ、付加価値の高いリサーチを提供します。
会場調査(CLT)の実績が豊富なリサーチ会社を探している方にとっては、心強い選択肢となるでしょう。
インパクトフィールド|スピード重視&リアル重視ならココ!小回りのきく現場力

参照元: インパクトフィールド株式会社
インパクトフィールドは、「現場でのリアルな声をスピーディに拾いたい」というニーズに応える、実行力と現場対応力に優れたCLT(会場調査)パートナーです。
とにかく早く結果を得たい、現場感を重視したいという企業にとって、意思決定のスピードを加速させられる点が大きな利点です。
この会社の特徴は、対面中心の丁寧なヒアリング体制にあります。
調査対象者の言葉だけでなく、表情や間、ちょっとした戸惑いまで拾い上げることができるため、言語化されない“違和感”まで捉えやすいのが強みです。
また、街頭でのリクルートや短期間での調査準備にも対応できるため、「急ぎで反応を取りたい」「試作品の感触だけ早めに見たい」といった短納期の案件にも適しています。
さらに、五感を通じた体験や、ネーミング・コンセプトといった“感覚的で数値化しにくい評価軸”においても柔軟に対応可能です。
このような項目は定量調査では拾いきれないことが多いため、「どこに引っかかるか」「何が腑に落ちないか」といった質的な情報を得たい企業にとっては大きなメリットになります。
「まずは少人数でもいいから反応を確かめたい」「改善の糸口を現場の声から探りたい」という企業には、特におすすめです。
マクロミル|全国規模で柔軟に対応!調理もOKの「王道」CLTパートナー

参照元: 株式会社マクロミル
マクロミルは、会場調査(CLT)にも対応している、知名度・実績ともにトップクラスの調査会社です。自社で運営する会場に加えて、全国の提携会場を活用できるため、地域を問わず調査を実施することができます。
マクロミルを利用することにより、一部地域に偏らない全国的な傾向を把握できる点が大きなメリットです。
マクロミルの強みとなるのが、調理設備付きの会場を備えていることです。
食品や飲料などの試食・試飲テストを、実際の提供環境に近い形で再現できるため、評価の精度や再現性が高くなります。
さらに、模擬棚を設置して「店頭でどの商品を手に取るか」「どのパッケージに目が行くか」といった購買直前の行動を観察できる調査手法にも対応。こうしたリアルな行動データは、単なる好みの確認にとどまらず、売り場での競合比較やパッケージ改善のヒントを得るうえで非常に有効です。
また、対象者のリクルート体制もしっかりしており、「◯代女性で日用品を週1回以上購入している人」などの条件設定にもスムーズに対応が可能です。
設問内容についても、目的に応じて柔軟にカスタマイズできるため、食品・日用品・飲料メーカーなど、全国規模でユーザーのリアルな声を集めたい企業にとって、非常に頼れる調査パートナーといえるでしょう。
クロス・マーケティング|複雑な設計にも強い!プロ人材が支える多機能型CLT

参照元: 株式会社クロス・マーケティング
クロス・マーケティングは、幅広い業種・課題に対応し、複雑な条件にも対応できる企画力と実行力を兼ね備えた総合型のリサーチ会社です。
会場調査専門のスタッフを50名以上社内に配置しており、調査設計から現場運営、データ収集までを自社内で一貫して対応が可能です。そのため会場調査がスケジュール通りに進行しやすく、調査の品質や再現性を安定させやすい点が大きなメリットです。
中でも特徴的なのは、高齢層へのリクルート(通称:100歳リクルート)や、会場にキッチン設備を設けて行う「調理シーンの再現CLT」など、一般的なリサーチ会社では対応が難しい特殊条件の調査も柔軟に実施できる点です。
この特異性によりターゲットが限定的だったり、実際の使用環境が重視されるような製品の検証にも対応できます。
また、調査ではタブレット端末を活用し、画面を見ながら直感的に回答できる設計にも対応しています。紙では得られない回答精度の向上や、リアルタイムの集計・フィードバックが可能になるため、スピーディかつインタラクティブな分析が求められる案件にもクロス・マーケティング会場調査は適していると言えます。
さらに定量(数値)と定性(意見・感想)を組み合わせたハイブリッド調査にも強く、「結果を深掘りしながら、数字でもしっかり裏付けたい」と考える企業にとって、非常に頼れる存在です。
複雑なターゲティングや多面的な評価が必要なプロダクトに適しており、「ちょっと特殊な条件で調査したい」という企業にぴったりです。
会場調査会社選びで失敗しないために!検討前に押さえておきたい5つの注意点
- 対象者のリクルート体制が整っているか(属性・地域・年齢層など)
- 自社製品に適した会場・設備が用意されているか(調理・模擬棚など)
- 調査設計や分析レポートの対応範囲を事前に確認しておく
- スケジュール対応力と柔軟性(納期・急な変更への対応)があるか
- 初回利用時は「伴走型サポート」のある会社を選ぶのが安心
会場調査会社を選ぶ際に最も重要なのは、「自社の目的に合った提案・体制を持っているか」を見極めることです。
食品メーカーであれば調理設備がある会場が必要ですし、ニッチなターゲットに向けた商品ならリクルート力が問われます。
また、調査票の設計や結果レポートの仕上がりが社内の活用目的に合っていないと、せっかくの調査が無駄になってしまうこともあります。
そのため、会場調査に見積もりを依頼する段階で「何をどこまで対応してくれるか」を具体的にすり合わせることが肝心です。
初めて会場調査を実施する場合は、調査設計や質問票の確認など、伴走型でサポートしてくれる会社を選ぶと安心です。
会場調査(CLT)の基本と活用ポイントまとめ
- 会場調査(CLT)は、同一条件下でのリアルな体験評価を通じて、精度の高いデータを得られる
- 自社の課題に合った手法を選ぶことで、商品開発や訴求内容の改善につながる
- 調査会社によって設備・体制・対応力に違いがあるため、目的に合ったパートナー選びが重要
この記事では、会場調査(CLT)の特徴や得られる効果、具体的な活用方法について紹介しました。
「まずはどの会場調査の手法が自社に合っているか知りたい」「具体的な費用感をつかみたい」と感じた方は、次のアクションとして、気になる調査会社に資料請求や無料相談をしてみることをおすすめします。
今動くことで、改善すべきポイントが見え、商品・サービスの成功率が高まるはずです。