グループインタビューとは?メリット・進め方・調査会社9選をわかりやすく解説
目次

グループインタビューは、個別インタビューと異なり、一度に複数人へインタビューする点が特徴です。定量調査では捉えにくい、ユーザーの潜在意識やニーズを知るのに役立ちます。

この記事では、グループインタビューの基本的な説明やメリット、進め方、おすすめの調査会社などをわかりやすく解説します。

グループインタビューはユーザーの本音を引き出す調査手法

グループインタビューは、定性調査に分類される調査手法です。主にユーザーの本音や潜在的なニーズを明らかにする目的で活用されます。

複数の調査対象者を集め、司会者(モデレーター)の進行のもと、自由に意見や経験の話し合いが行われます。一般的に、4〜8名程度で1グループを作り、1時間〜1.5時間程度で行われることが多いです。

司会者から調査対象者に直接質問できるため、ユーザーが購買に至るまでの思考プロセスや感情の動きを深く深く探ることが可能です。

グループインタビューの活用価値|手法選定で押さえるべきメリットとデメリット

グループインタビューのメリット、デメリット

グループインタビューを実施する前に、メリットとデメリットを理解しておきましょう。

メリット①多様な視点を一度に収集できる

グループインタビューの大きな特徴は、複数人から同時に話を聞けることです。個別インタビュー(デプスインタビュー)を行うよりも、一度に多くの情報を収集できます。

参加者同士が異なる立場や経験に基づいて発言することで、多様な視点やアイデアが集まりやすくなり、多面的な情報を把握できます。

メリット②ユーザー同士の対話が潜在ニーズを引き出せる

グループインタビューは、個別のインタビューでは引き出しにくい、潜在ニーズを引き出すのにも役立ちます。個別インタビューでは表面化しにくかった情報も、他者の体験や意見に共感・反発する中で、言語化されるケースがあります。

デメリット①個々のインサイトを深掘りしにくい

グループインタビューは、個々の発言時間が限られるため、個人の思考や動機を深掘りするには不向きな側面があります。他の調査対象者の反応を意識し、本音が言えないケースも少なくありません。

個々のインサイトを深掘りしたい場合は、グループインタビューではなく個別インタビューを選択すると良いでしょう。

デメリット②意見交換が同調圧力に偏りやすい

グループインタビューでは、調査対象者が集団の意見に無意識に同調してしまう傾向があります。特に、発言力のある人物が場をリードしすぎた場合、他者が反論しづらい雰囲気が形成されることもあります。同調圧力を避けるためには、司会者が公平に意見を引き出し、全員が発言できるよう進行することが重要です。

グループインタビューを有効活用できる場面

グループインタビューは、新商品・新サービスの開発やマーケティング戦略立案などに活用できます。主な活用場面は以下のとおりです。

  • 新商品・新サービスの開発
  • マーケティング戦略立案の初期段階
  • コンセプト・広告の印象評価
  • UI/UX改善のヒント抽出

たとえば、新商品・新サービスの開発においては、ユーザーの率直な意見を聞くことで、ターゲット設定に問題がないかを確認したり、潜在的なニーズを探ったりできます。会話を通じて参加者同士の記憶や考えが刺激され、新たな視点やアイデアが生まれることもあるでしょう。

マーケティングの戦略立案では、ニーズの有無や利用頻度などの意見を集めることで、仮説の精度も高まります。また、コンセプトや広告に対して「共感できるか」「魅力を感じるか」などの印象をヒアリングすることで、市場での成功につながる重要な示唆を得ることも可能です。

さらに、実際に購入経験のあるユーザーを調査対象とすれば、UI/UXの課題や改善に役立つ、具体的なヒントも得られるでしょう。

グループインタビューの基本的な進め方

グループインタビューの進め方

グループインタビューは以下の手順で進めます。

  1. 調査目的の明確化
  2. 対象者の選定
  3. 質問設計
  4. 実施
  5. 分析・報告

順を追って、詳しく解説します。

調査目的の明確化

グループインタビューを実施する際は、調査目的の明確化が重要です。調査目的が曖昧だと、質問がぶれたり、得られた情報が散漫になったりする可能性があります。

「何のために実施するのか」「調査結果をどのように活用するのか」などを明確にすることで、次のステップである対象者選定や質問設計がスムーズに進みます。有意義な情報を得るためにも、調査目的の明確化は必ず行いましょう。

調査対象者の選定

調査対象者は、以下のような項目で選定すると効果的です。

  • 属性:性別、年齢、職業、居住地など
  • 条件:商品の利用経験の有無、特定の趣味を持つかなど

ある程度共通点のある人同士でグループを構成すると、安心感が生まれ、意見交換しやすくなります。一方で、あえて異なる属性を混ぜることで、新たな視点や議論の活性化が狙える合もあります。

質問設計

調査対象者の選定が終わったら、グループインタビューで質問したい項目を洗い出し、質問の順序や進行の流れを決めます。

質問設計では、導入(アイスブレイク)、メインの質問、深掘りの質問、質疑応答、まとめ、といった内容でシナリオを用意するのが一般的です。司会者がスムーズに進行できるよう、質問の時間配分も決めておきましょう。

実施

グループインタビューは、調査対象者と司会者で実施します。他の関係者は別室でインタビューの様子を確認し、気になった点をメモしたり、深掘りしてほしい点を司会者へ指示したりすることもあります。

インタビューは録画・録音し、後から内容を振り返ったり、分析に活用したりできるため、事前に準備しておくと安心です。

分析・報告

インタビュー後は、議事録を作成し、分析・報告を行います。

まず、録音を文字に起こし、誰がどのような発言をしたかを整理します。そのうえで、共通する意見や異なる意見などをグルーピングし、情報整理を体系的にまとめていきましょう。

分析結果は、表やグラフを用いて視覚的にわかりやすく整理し、報告書として仕上げます。インタビューから得られた気づきや今後どのように活用できるかまでも明確にすると、調査結果をより有効活用できます。

グループインタビューと他の定性調査方法を比較

グループインタビューと他の定性調査方法について、特徴と注意点を以下の表にまとめました。

グループインタビューデプスインタビューエスノグラフィー
特徴複数人が一つのテーマについて議論する。1対1で、個人的な経験や感情を深く掘り下げる。対象者の自然な生活環境や行動の場に入り込み、直接観察・体験する。
人数4〜8名程度1名少人数
目的多様な意見の収集深層心理・動機の把握行動観察と状況理解
注意点発言の偏りや同調圧力が発生することがある。一個人の意見となるため結果の一般化が難しい。情報量が膨大になるため分析力が必要。

それぞれの調査手法には、特徴と適した場面があります。調査の目的や得たい情報に応じて、最適な方法を選びましょう。

▼そのほかの定性調査詳細
デプスインタビューとは?基本手法から活用事例・おすすめ企業4社比較と費用相場も
エスノグラフィーとは?調査依頼できる会社は?調査の活用事例・調査相場を徹底比較!

グループインタビューの成功は調査会社の選定がカギ!おすすめの調査会社9選

グループインタビューを成功させるためには調査会社選びが重要です。おすすめの調査会社をご紹介します。

株式会社日本リサーチセンター

日本リサーチセンター

参照元:株式会社日本リサーチセンター

日本リサーチセンター(NRC)は、1960年設立の老舗総合調査会社です。ISO認証取得による高い信頼性と独立性で、民間企業から官公庁まで多岐にわたる調査実績を誇ります。

郵送調査、訪問調査などのオフライン調査から、Web上でアンケートやインタビューなどを行うオンライン調査まで、幅広い調査手法に対応しています。国内調査だけでなく海外調査の実績も多数あり、リサーチだけでなく、制作やコンサル、デジタルツールでの開発など、顧客の課題に寄り添い対応してくれる点が強みです。大規模・複雑な調査やオフライン調査を重視する企業におすすめです。

日本インフォメーション株式会社

日本インフォメーション株式会社

参照元: 日本インフォメーション株式会社

日本インフォメーションは、消費者インサイトの深掘りと、質の高い提案力が特徴です。経験豊富なリサーチャーが多数在籍しており、マーケティングの課題解決に適したリサーチ立案が可能です。担当の営業企画(プランナー)がプロジェクトの最後まで一貫して対応してくれるため、高品質なリサーチ運用を提供できます。

リサーチスキルだけでなく、ヒアリングなどのコミュニケーションスキルが高い点も強みです。ISO認証に基づく高品質なサービス提供、戦略策定まで含めた包括的なリサーチ支援を求める企業に特におすすめです。

株式会社プラグ

株式会社プラグ

参照元: 株式会社プラグ

プラグは、リサーチ力とデザイン力を兼ね備えている点が最大の特徴です。単に調査結果を提示するだけでなく、結果から顧客がアクションを起こせるように、具体的な戦略やアイデアをデザインに落とし込んで提案します。

リサーチの目的を「顧客のアクションに繋がる」ことと明確に定めており、本質をわかりやすく伝えるアウトプットも魅力です。100万人規模のインターネットモニター会員を有し、オンライン調査システムも充実しています。商品開発・ブランド戦略に課題を抱えている企業や、リサーチからプロモーションまで一貫して支援してほしい企業におすすめです。

株式会社Quest Research

株式会社Quest Research

参照元: 株式会社Quest Research

Quest Researchは、定量調査やAIを活用した高速・高精度な定性分析が強みです。案件ごとに一人のリサーチャーが一貫して対応し、調査設計・画面作成・分析・レポーティングを行うためスムーズな進行が期待できます。

自社ツールを活用し、アンケート結果のクロス集計から示唆出しまでワンタッチで行えるなど、分析時間の短縮も叶います。スピード感のあるリサーチ支援を求めている企業におすすめです。

株式会社マーケティングセンター

株式会社マーケティングセンター

参照元: 株式会社マーケティングセンター

マーケティングセンターは、市場調査の専門機関として、現地調査の精度と調査データの品質の高さを強みとしています。全国に調査網を構築しており、全国規模の市場調査や地域ごとの特性を把握できる点も強みです。

GIS(地理情報システム)を活用したデータ分析や、AIを活用した売上予測の実績もあります。本質的な顧客理解とビジネス課題解決を求める企業に特におすすめです。

株式会社マクロミル

株式会社マクロミル

参照元: 株式会社マクロミル

マクロミルは、豊富な実績とグローバルネットワークで、スピーディーかつ高品質な調査を提供できる点が強みです。オンライン調査を中心に行い、データ収集・分析、デジタルマーケティング、データコンサルティングなどのサービスを提供しています。

130万人超の自社パネルと、約3,600万人の提携パネルを活用して調査を行えます。海外市場への進出を検討している企業や、オンラインで迅速に情報収集を行いたい企業におすすめです。

株式会社クロス・マーケティング

株式会社クロス・マーケティング

参照元: 株式会社クロス・マーケティング

クロス・マーケティングは、世界10カ国20拠点以上でリサーチ事業を展開しています。国内最大規模1,285万のアンケートパネルを所持しており、年間調査実績10,000件以上あるため安心して調査を任せられます。

短納期・高品質な調査に加え、デジタルマーケティング全般を支援するワンストップ体制が特徴です。大規模調査、グローバル展開、データに基づいたDX推進を目指す企業におすすめです。

株式会社インテージ

株式会社インテージ

参照元: 株式会社インテージ

インテージは、ユーザー心理の深層構造に迫る定性調査を得意とする調査会社です。ネットリサーチや郵送調査、会場調査などの定量調査から、行動観察やインタビューなどの定性調査を用いて、経験豊富なアナリストが課題解決に即したリサーチ設計を行います。

コグニティブ手法などを活かした、深い体験ヒアリングも強みです。広告開発や商品のポジショニングなどに課題があり、購買データに基づく市場分析、行動データを活用したい企業におすすめです。

株式会社アスマーク

株式会社アスマーク

参照元: 株式会社アスマーク

アスマークは、約100万人規模の自社パネルを持つマーケティングリサーチ会社です。特に質の高い定性調査(グループインタビュー、デプスインタビュー)に強みを持ち、消費者の深層心理を深く掘り下げます。

課題解決のための最適な調査設計と、結果を活かす提案力が特徴。ISO認証を取得しており、高品質とスピード対応が魅力です。リサーチ結果と顧客データを掛け合わせてより深い顧客理解を実現できます。リサーチだけでなく、データ分析やコンサルティングまで任せられます。

より深い顧客理解を行いたい企業や、顧客データの分析や活用方法の立案まで併走してほしい企業におすすめです。

まとめ|目的に合ったグループインタビューでインサイトを可視化しよう

グループインタビューは、アンケートなどの定量調査では見えない深層心理や潜在ニーズを明らかにできる有効な手法です。単に実施するのではなく、調査目的に合わせて適切な質問設計と進行が重要になるため、課題解決に強い調査会社へ依頼することが大切です。

ターゲットの本音や、その背後にある感情や潜在的なニーズを深く理解することで、製品開発やマーケティング戦略に活かせる具体的なインサイトが得られます。顧客理解を深め、成果につながる意思決定のために、ぜひグループインタビューの活用を検討してください。