新規事業を成功に導く市場調査の進め方|失敗を防ぐ調査手法とステップを解説
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新規事業の立ち上げを検討しているものの、どのような調査を行えばよいかわからない。そんな悩みを抱えている方は少なくありません。新規事業の成否は、事前にどれだけ市場や顧客を理解できているかで大きく左右されます。
本記事では、新規事業における市場調査の重要性から具体的な進め方、調査会社の選び方まで、実務で役立つ情報を体系的に解説します。
なぜ新規事業に市場調査が欠かせないのか
新規事業を立ち上げる際、多くの企業が製品やサービスの開発に注力する一方で、市場調査を軽視してしまうケースが見受けられます。しかし、調査を疎かにした新規事業は高い確率で失敗に終わっています。ここでは、新規事業において市場調査がなぜ不可欠なのか、その理由と調査で押さえるべきポイントを解説します。
ローンチしても半数以上が黒字化できない現実
アビームコンサルティングが2023年9月に実施した「新規事業取り組み実態調査」によると、さまざまな苦労を乗り越えてローンチまでこぎつけた新規事業でも、半数以上は黒字化を達成できていないことがわかりました。新規事業を収益化することがいかに難しいかを示すデータです。
出典:アビームコンサルティング「新規事業取り組み実態調査」(2023年9月実施)
なぜこれほど多くの新規事業が失敗するのでしょうか。その最大の要因は、市場を十分に調査しないまま製品やサービスの開発に踏み切ってしまうことにあります。
表面的な市場規模や顧客ニーズは把握していても、業界特有の慣習や顧客の行動原理といった見えにくい部分まで理解できていなければ、事業は的外れな方向に進んでしまいます。経営者の勘や経験だけに頼り、「とにかくやってみよう」という姿勢で進めてしまうと、事業の土台そのものが揺らいでしまうのです。
仮説を立てずに走り出したり、顧客が本当に求めているものを確かめなかったりすることで、結果として市場に受け入れられない製品やサービスが生まれてしまいます。
調査不足が招く典型的な失敗パターン
新規事業における調査不足は、いくつかの典型的な失敗パターンを引き起こします。
- ターゲット設定の誤り
- 表面的なリサーチによるニーズの見落とし
- 競合動向の把握不足
ターゲット設定の誤り
十分な市場調査を行わなかったために、本来狙うべきではない層に製品やサービスを提供してしまうケースです。企業側の思い込みでターゲットを決めてしまい、顧客が本当に求めているものを調べずに進めた結果、想定していた顧客がまったくつかないという事態に陥ります。
表面的なリサーチによるニーズの見落とし
アンケート調査の数字だけを見て市場性があると判断したものの、その裏にある顧客の本音や潜在的な願望を探らなかったために、製品と市場のフィットが達成できないパターンです。顧客自身も気づいていない潜在ニーズを発掘せずに開発を進めると、「なんとなく違う」と感じられる商品ができあがってしまいます。
競合動向の把握不足
競合他社がどのような強みを持ち、どれくらいの市場シェアを握っているかを分析しないまま参入すると、差別化のポイントが不明確なまま競争にさらされます。その結果、自社の立ち位置を見失い、戦略的な失敗につながってしまいます。
市場調査で把握すべき3つのポイント
新規事業の成功確率を高めるためには、市場調査で押さえるべき3つのポイントがあります。
- 市場規模と成長性
- 業界構造とビジネス環境
- 競合と顧客に関する情報
市場規模と成長性
参入を検討している市場がどの程度の大きさで、今後どれくらいの成長が見込めるかを定量的に把握します。現在の市場規模だけでなく、将来予測や年平均成長率なども調べることで、新規事業としてのポテンシャルを評価できます。市場規模が極端に小さい場合は戦略の転換が必要になるかもしれません。
業界構造とビジネス環境
その市場を取り巻く業界の構造や慣習、法規制などを調査します。サプライチェーンの流れ、流通構造、代表的なビジネスモデル、参入上のルールや規制の有無などを把握することで、自社が直面するハードルや成功要因を見極められます。業界特有の商習慣など「暗黙の前提」を知っておくことも重要です。
競合と顧客に関する情報
主要な競合企業のシェアや強み・弱みを分析するとともに、ターゲットとなる顧客の属性や嗜好、抱えている課題なども収集します。特に、顧客の顕在ニーズだけでなく、本人も自覚していない潜在ニーズを探ることが、新規事業の差別化ポイントを見つける鍵となります。
新規事業で使える調査手法の種類と選び方

市場調査にはさまざまな手法があり、目的に応じて適切なものを選ぶ必要があります。新規事業の立ち上げでは、定量調査と定性調査の両方を上手に使い分けることがポイントです。それぞれの特徴と使いどころを理解し、効果的な調査設計につなげましょう。
定量調査とは|市場の全体像を数値で把握する
定量調査とは、アンケートやデータ分析を通じて、数値化できるデータを収集・分析する調査手法です。インターネットアンケート、会場アンケート、郵送アンケート、街頭調査、電話調査など、さまざまな方法があります。
定量調査の強みは、市場全体の傾向やボリューム感を客観的なデータで把握しやすいことです。「想定ターゲット層の何割が課題を感じているか」「需要は年何パーセント成長しているか」といった情報を、数字で明確に押さえられます。
一方で、得られるのは数値の裏付けに限られるため、その背景にある「なぜ」までは直接わかりません。また、データの切り口によって印象が変わることもあるため、複数のデータを突き合わせて解釈の妥当性を確認することが重要です。
定性調査とは|顧客の本音と行動背景を深掘りする
定性調査とは、インタビューや観察などを通じて、数値化できない情報を収集し、新たな洞察やヒントを得る調査手法です。グループインタビュー、デプスインタビュー(1対1の深掘りインタビュー)、電話インタビュー、行動観察調査などが該当します。
定性調査の最大の強みは、定量調査では表れない顧客の本音や潜在ニーズを掘り起こせる点です。アンケートでは得られない自由な意見や感情、体験談を聞けるため、顧客自身も言語化できていない深い洞察を発見できることがあります。
ただし、客観性に乏しく主観的な情報になりやすいというデメリットがあります。インタビュー内容の解釈は担当者の力量に左右されやすく、サンプル数も少ないため統計的な裏付けにはなりません。
定量調査と定性調査の使い分け方
新規事業の市場調査では、定量調査と定性調査を目的に応じて組み合わせることが効果的です。両者は対立するものではなく、互いを補完する関係にあります。
市場全体の規模感や傾向を知りたいフェーズでは、定量調査を用いて客観的なデータを取得します。一方、事業アイデアの着想や仮説検証の段階では、定性調査を活用して顧客の生の声を聞き、新サービスの着眼点や改善点を探ります。
多くの成功企業は、定量調査と定性調査を組み合わせた丁寧なリサーチによって、顧客ニーズに根ざした商品やサービスを開発しています。たとえば、まずアンケートでニーズの大きさを測り、その後インタビューで背景にある本音を掘り下げるという二段構えのアプローチが有効です。逆に、定性調査で得た示唆をもとに改めて定量調査で検証するパターンも効果的です。
新規事業では仮説検証を何度も繰り返す必要があるため、状況に応じて数字の裏付けと生の声の深掘りを行き来しながら、市場の実態に迫っていくことが重要です。
新規事業の市場調査を進める5つのステップ
市場調査は行き当たりばったりで進めても効果は限定的です。段階的なステップを踏んで進めることで、調査の精度と実用性が高まります。ここでは、目的設定から調査結果の事業計画への反映まで、5つのステップに分けて解説します。
ステップ1|調査目的を明確にする
市場調査を始める前に、まず「何のために、何を知るために調査を行うのか」を明確にします。新規事業に参入する意図や事業目標を確認したうえで、調査によって得たい情報と検証すべき仮説を洗い出します。
調査目的の例としては、「ターゲット顧客のニーズを把握したい」「市場規模の妥当性を検証したい」「競合の動向を分析したい」などが挙げられます。目的が曖昧なままだと、集めるべきデータや適切な手法が定まらず、時間とコストの無駄につながってしまいます。
ステップ2|仮説を立てターゲットを設定する
調査目的が固まったら、次は仮説を立て、誰に対して調査を行うかを決めます。
仮説とは「この顧客層はこのような課題を抱えているのではないか」といった現時点での推測です。「30代の働く女性は時短ニーズが高い」「中小企業の経営者はこの分野のサービスに不満を感じている」といった形で、検証可能な仮説に落とし込みます。
ターゲット設定では、自社の商品やサービスが解決すべき課題を持つ人物像を具体化します。年齢、性別、地域、職業、関心領域など、さまざまな観点から対象を絞り込みましょう。ターゲット設定が曖昧だと、調査結果も曖昧になり、有効な示唆を得られません。
ステップ3|調査手法を決めて実施する
目的と仮説が固まったら、最適な調査手法を選択し、実際に調査を行います。定量調査にするか定性調査にするか、あるいは両方を組み合わせるかを決め、調査対象、サンプル数、質問項目なども決定します。
たとえば、市場規模データの収集が目的なら官公庁統計や業界資料を調べるデスクリサーチが適しています。顧客の生の声を知りたいなら、ターゲット層へのインタビュー調査が有効です。
調査実施時は、データの質を確保することが肝心です。アンケートでは対象者が偏らないよう注意し、インタビューでは相手の本音を引き出せるスキルを持った担当者をアサインしましょう。
ステップ4|データを分析し仮説を検証する
データ収集が完了したら、結果の整理と分析を行い、当初の仮説を検証します。
定量データの場合は、集計表やグラフを作成し、クロス集計やセグメント分析を行って傾向を読み解きます。「若年層は価格に敏感である」という仮説があれば、年代別と価格許容度でクロス集計して裏付けを探ります。
定性データの場合は、インタビュー記録の内容をテーマごとに分類・要約し、浮かび上がる洞察を整理します。仮説と合致する点、ズレていた点を洗い出し、なぜ違ったのかを考察することで新たなヒントが生まれることもあります。
ステップ5|分析結果を事業計画に反映する
調査分析で得られた示唆は、事業プランに活かしてこそ価値があります。調査結果を踏まえたビジネスプランや戦略の見直し・具体化を行いましょう。
たとえば、「価格に対する顧客の敏感度が高い」ことがわかったなら価格戦略の見直しを、「使い方が難しい」という不満が聞かれたならUIの改善を検討します。調査結果は関係部門と共有し、社内のコンセンサス形成に役立てましょう。
また、調査から戦略反映のプロセスは1回で終わらせず、継続的な検証サイクルを回すことが理想的です。小さく試して改善を繰り返す「スモールスタート」の姿勢が、新規事業の成功確率を高めます。
自社で行うか調査会社に依頼するかの判断基準

市場調査は自社メンバーで実施することも、専門の調査会社に委託することもできます。それぞれにメリットとデメリットがあるため、状況に応じた判断が必要です。ここでは、自社調査と外部委託の使い分けについて解説します。
自社で調査を行うメリットと限界
自社で調査を実施するメリットとして、まず挙げられるのは機動性です。外部に発注すると準備や契約に時間がかかりますが、自社内のリソースであれば新規事業の初期段階から柔軟に市場動向を探ることができます。
コスト面でも利点があります。外部に依頼すると数十万〜数百万円の費用が発生しますが、自社メンバーで行えば追加コストを抑えられます。最近はセルフ型のアンケートツールも充実しており、低コストでデータを収集できる環境が整っています。
一方で、自社調査には限界もあります。膨大な情報を集めて整理・分析する作業は、専門的なノウハウがないと大変です。また、自社に有利な解釈をしがちになったり、サンプル収集範囲が限定されて偏ったデータになったりするリスクもあります。
調査会社に依頼すべきケースとは
専門の調査会社に依頼するメリットは、調査設計から分析までプロのノウハウを活用できる点です。大規模なパネル(回答者ネットワーク)へのアクセスも可能になり、自社ではリーチできない対象者からのデータ収集や高度な統計分析ができます。
具体的に依頼すべきケースとしては、統計的に有意なサンプル設計や多変量解析を用いた高度な分析が求められる場合、自社では集めにくい属性の消費者パネルやBtoBの意思決定者への調査が必要な場合、意思決定期限が迫っていて短期間で結果を得たい場合、社内プレゼンや上層部への報告で第三者のデータが求められる場合などが挙げられます。
「スピード・規模・精度」が求められる場面では調査会社の活用を、アイデア創出の初期検証など小回り重視の場面では自社調査を、という使い分けが効果的です。
新規事業の調査に強い調査会社8選
新規事業の市場調査を外部に依頼する場合、どの調査会社に頼むかも重要なポイントです。ここでは、新規事業のリサーチに強みを持つ8社を紹介します。自社の課題やニーズに応じて最適なパートナーを選ぶ参考にしてください。
株式会社ネオマーケティング

参照元: 株式会社ネオマーケティング
生活者起点のマーケティング支援を得意とし、市場調査から商品開発、プロモーション支援までワンストップで手がける会社です。約2,889万人の国内外大規模パネルを保有し、最短3営業日での迅速なリサーチ対応が可能です。
新規事業向けには、デザイン思考を活用した「インサイトドリブン®」や、10営業日でアウトプットを出すコンセプトテスト「ACT」などのサービスを提供しています。
株式会社Brandism

参照元: 株式会社Brandism
ブランド・マーケティング戦略の構築から実行までを支援する専門会社です。調査によるデータ収集だけでなく、分析からマーケティング戦略立案まで一気通貫でサポートできる体制が特徴です。
「Brand STP調査」では、データに基づいてセグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングを明確化します。定量調査と定性調査を組み合わせた戦略リサーチを得意としています。
株式会社10

参照元: 株式会社10
顧客との共創を通じたイノベーション創出に特色のある調査会社です。自社開発のオンラインコミュニティプラットフォーム「Mind Square™」を用い、企業と消費者が双方向に意見交換しながら価値探索を行います。
「パラレルデプス」と呼ばれる大規模N=1調査では、定性データと定量データの両方を同時に取得できます。リクルートに時間を要さず、短期間・低コストで実施できる点も魅力です。
株式会社日本リサーチセンター

参照元:株式会社日本リサーチセンター
老舗の総合調査会社で、幅広い調査手法に対応する点が強みです。UXリサーチを軸に、潜在ニーズの発掘から戦略策定まで支援しています。
グループインタビュー、デプスインタビュー、会場テスト、訪問調査など、さまざまな手法を自社で実施できます。調査成果をカスタマージャーニーマップなどで可視化し、組織内で共有しやすい形にまとめることを重視しています。
マイボイスコム株式会社

参照元:マイボイスコム株式会社
インターネット調査を中心に展開し、大規模な消費者パネルを自社で保有するリサーチ会社です。定量的なデータ収集だけでなく、リアルな現場検証まで可能にするサービスを持っています。
「行動付随調査(ミステリーショッパー型調査)」では、モニターが実際に店舗を訪れて商品購入やサービス体験をしたうえで評価を報告します。日常に近い環境での自然なフィードバックを得られます。
ヴィアゲート株式会社

参照元: ヴィアゲート株式会社
AI技術を活用したリサーチソリューションを提供する調査会社です。「AIインタビュー調査」では、チャット形式でAIが自動的に回答者に質問を投げかけ、1,000人規模の同時並行インタビューが可能です。
定性調査でありながら定量的なスケールを確保でき、回答内容はAIがリアルタイムで集計・分析します。30言語対応のグローバル調査にも対応しています。
シーエスジー株式会社

参照元: シーエスジー株式会社
BtoB領域のリサーチに強みを持つ調査会社です。市場構造や規模の把握に定評があり、業界内のプレイヤー動向や流通構造を徹底的に調べ上げて市場規模を算出します。
覆面調査をBtoB領域にも応用し、依頼主企業名を伏せた形でターゲット企業に接触して本音のニーズをヒアリングすることも可能です。海外進出支援の調査も提供しています。
株式会社クロス・マーケティング

参照元: 株式会社クロス・マーケティング
インターネットリサーチ業界大手で、豊富なパネルネットワークとコンサルティング力を兼ね備えた調査会社です。企画初期から検証フェーズ、戦略立案までフルサポートできます。
アイデアスクリーニング調査、コンセプト受容性調査、価格受容性調査など、新規事業の検証段階に必要なメニューを提供しています。世界85か国以上での調査が可能な海外専任チームも擁しています。
まとめ|調査の質が新規事業の成否を分ける
新規事業の成功確率を高めるためには、事前の市場調査が欠かせません。ローンチしても半数以上が黒字化できないといわれる新規事業において、調査を通じて市場規模、業界構造、競合状況、顧客ニーズを正確に把握することが、リスクを減らし成功への道筋を描く第一歩となります。
定量調査で市場の全体像を数値で捉え、定性調査で顧客の本音や潜在ニーズを深掘りする。この両輪を目的に応じて使い分け、5つのステップに沿って調査を進めることで、根拠ある意思決定が可能になります。
自社で調査を行うか調査会社に依頼するかは、求められるスピード、規模、精度によって判断しましょう。初期段階の仮説検証は自社で素早く行い、本格的な市場検証は専門の調査会社を活用するという組み合わせも効果的です。
市場調査は一度行えば終わりではありません。事業の進捗に合わせて継続的に検証サイクルを回し、市場の声を聞き続けることが、新規事業を成功に導く鍵となります。
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