ネットリサーチとは?メリット・デメリット・手法の解説と調査会社10選の比較
目次

ネットリサーチは、インターネットを通じて効率的にデータを集め、スピーディーに分析できることが強みの調査手法です。

この記事では、ネットリサーチのメリット・デメリットや代表的な手法、実際の流れを解説します。ネットリサーチに強い調査会社も10社紹介しますので、自社のニーズに合う会社探しに役立ててください。

ネットリサーチとは

ネットリサーチとは、調査対象(回答者)がインターネットを通じて回答を行う調査手法です。

紙や電話調査に比べて、短期間かつコストを抑えて多くの回答を集められる特徴があり、マーケティングや顧客満足度調査など、幅広い分野で活用されています。

ネットリサーチのメリット

ネットリサーチのメリット

ネットリサーチの主なメリット4つを解説します。

コスト削減

ネットリサーチでは、アンケートの配信から回収までをすべてオンライン上で完結できるため、従来型の郵送調査や訪問調査で必要だった印刷費・郵送費・調査員の人件費といった負担を削減できます。

経費が抑えられるため、限られた予算でも大規模な調査が可能となり、効率的な市場調査が行える手法と言えます。

調査スピードの速さ

ネットリサーチの回答はオンライン上で速やかに集まり、自動集計されるため、調査にかける時間を短縮できます。

従来の郵送調査や訪問調査では、回答の回収からデータ入力・集計までに数週間から数か月を要するケースが少なくありません。迅速な意思決定が求められるビジネスシーンでは、大きな武器となる調査手法です。

回答者パネルの多様性と大規模サンプリング

ネットリサーチは地理的な制約を受けないため、全国規模はもちろん、海外を含む幅広い層から大量のデータを収集できます。年代・性別・職業・購買経験といった条件で対象を絞り込むことも可能です。

数千件規模の大規模サンプリングを短期間で実現でき、精度の高い調査結果を得られる点が大きな強みです。

データ集計・分析の効率化

ネットリサーチの回答データは、最初からデジタル形式で収集されるため、集計や分析の作業を効率的に進められます。

紙の調査で必要だった回答を手入力する工程が不要となり、作業時間を短縮でき、入力ミスなどのヒューマンエラー防止にも効果的です。

ネットリサーチのデメリットと注意点

ネットリサーチにはスピードや効率化といったメリットがある反面、デメリットもあります。ここでは注意点を2つ解説します。

対象者はインターネット利用者に限定される

ネットリサーチは、調査対象がインターネット利用者に限定されます。そのため、オンライン環境にアクセスすることが難しい高齢者や、ITリテラシーの低い層はじゅうぶんにカバーできない可能性があります。

調査テーマによっては回答者の属性が偏り、結果に影響を及ぼす懸念があります。調査企画の段階で、ネットリサーチの採用可否を慎重に検討することが重要です。

回答の偏り・質のばらつきがある

ネットリサーチは匿名性が高いため、回答の真偽を判断しにくく、回答の偏りや質のばらつきが生じやすいという課題があります。中には不正確な回答や形式的な入力が含まれるケースもあるため、データの信頼性に影響を与えかねません。

欠点を補うための方法として、「スクリーニング設問の設置」「不正回答チェック」「注意喚起の設問を取り入れる」といった工夫が有効です。これらを取り入れることで、データの精度と信頼性を高められます。

ネットリサーチの主な手法と活用事例

ネットリサーチの主な手法と活用事例

ネットリサーチの主な手法3つと、具体的な活用事例を紹介します。

アンケート調査

アンケート調査は、Web上の質問を通じて多数の回答を集める、一般的なネットリサーチの手法です。

新商品の市場受容性を確認するコンセプトテストや顧客満足度調査、広告やキャンペーンの効果測定など、幅広い場面で活用されています。短期間で大量のデータを収集できるため、ニーズの大きさ把握や、ターゲットを選定する際にも有効な方法です。

【関連記事】アンケート調査の種類・作り方|成功のコツやおすすめの調査会社10社も紹介

パネル調査

パネル調査は、同じ回答者に定期的にアンケートを実施し、時間の経過による意識や行動の変化を把握する手法です。

ブランド認知度やイメージ推移の追跡や、サービス改善効果の長期的な測定に有効です。自社商品やサービスを利用中または利用見込みの層に実施すれば、商品の魅力度や価格満足度の向上、アフターケアに活用できます。

テキストマイニング

テキストマイニングは、SNSの投稿やアンケートの自由回答などの文章データから、有益な情報を抽出する分析手法です。

消費者の潜在的なニーズや不満点を定性的に捉えられる特徴があり、商品やサービスの改善要望の把握やブランドイメージ調査に活用されます。顧客の意見をキーワードベースで整理できるため、新商品の開発や既存サービスの改善に役立ちます。

【関連記事】テキストマイニングとは?その基本と活用方法・おすすめツールと相場価格まで完全ガイド

ネットリサーチの流れ|5ステップ

ネットリサーチは、調査目的の設定から結果の活用まで、明確なプロセスを踏むことで効果的に実施できます。基本的な流れは次の通りです。

STEP内容
1.調査目的の設定調査の目的を明確にする。課題解決なのか、新商品やサービスの受容性確認なのかといった目的を定め、仮説を立てる
2.調査設計調査対象者の条件(年齢・性別・居住地など)や設問項目、サンプルサイズの設定、予算を設定する
3.アンケート配信・回収設計した質問票をインターネットで配信し、効率的に回答を回収する
4.データ集計・分析回答データを自動で集計し、仮説との比較や傾向を分析。レポート化して分かりやすく整理する
5.レポーティング・活用分析結果を報告し、マーケティング施策や経営戦略に反映。次のアクションにつなげる

ステップごとに流れを押さえれば、調査精度が高まり、成果をビジネスに直結させられます。

ネットリサーチに強いおすすめ調査会社10選

ネットリサーチに強みがある調査会社10社を紹介します。必要な情報を素早く収集・活用するため、ぜひ参考にしてください。

株式会社ネオマーケティング

株式会社ネオマーケティング

参照元: 株式会社ネオマーケティング

ネオマーケティングは、提携先を含め2,889万人を超える国内最大規模のパネルを保有し、多様な条件に合致する対象者への調査が可能です。

国内外のネットリサーチに対応しており、調査結果をもとにマーケティング戦略やPR、デジタル施策などを一貫して支援できる体制を持っています。インサイト発見を専門とする「インサイトリサーチャー」が企画・設計から分析、施策提案まで担当するため、調査を実践的な成果につなげやすい点も強みです。

株式会社Quest Research

株式会社Quest Research

参照元: 株式会社Quest Research

Quest Researchは、AIを活用した調査のスピードと品質に強みを持っています。

独自の集計ツール「コエミル」や、生成AIによるオンラインインタビューサービス「qork(コルク)」により、最短1営業日で定量実査、2週間で設計・分析が可能です。AIによるワンクリックの示唆出しやPowerPoint出力に対応し、迅速な資料作成と意思決定をサポートします。

大人数の定性インタビューや海外調査にも対応し、24時間で30サンプルを回収した実績もあるなど、短納期で実践的なアウトプットが実現できます。

マイボイスコム株式会社

マイボイスコム株式会社

参照元:マイボイスコム株式会社

マイボイスコムは、インターネット調査を中心に、専門リサーチャーが調査票設計から報告納品まで一貫で対応する「コンサル型リサーチ」を提供しています。

約120万人の自社モニター「マイボイスパネル」は28項目の詳細な属性情報を備え、不正回答や短時間回答を排除するなど厳密な品質管理を徹底しています。

1998年から蓄積する自主調査データベース「MyEL」やAI分析「CotoEL」、テキストマイニング「TextVoice」を活用し、リアルなペルソナ生成やインサイト抽出が可能です。

株式会社日本リサーチセンター

日本リサーチセンター

参照元:株式会社日本リサーチセンター

日本リサーチセンター(NRC)は、1960年設立の歴史ある総合調査会社で、国内外で豊富な実績を築いています。

オンライン・オフラインを問わず多彩な調査手法に対応し、独自の「NRC UXリサーチ」では、ユーザーの潜在的なニーズを探り出します。革新的な製品・サービスやコミュニケーション戦略の基盤づくりの支援も強みの一つです。

調査設計から実査、成果物作成まで一貫支援できる体制も強みで、幅広い調査ニーズに柔軟に対応しています。

ヴィアゲート株式会社

ヴィアゲート株式会社

参照元: ヴィアゲート株式会社

ヴィアゲートは、AIとデータを活用して生活者のインサイトを収集・分析するプラットフォーム「emomil(エモミル)リサーチ」を提供しています。

インターネット調査サービス「エモミルリサーチ」の使用で、動画やWebサイトの視聴・表情調査、AIでのチャットインタビューなどが可能です。

スマホだけで参加できるセルフ調査や、国内外の大規模パネルネットワークを活用した調査にも対応しており、効率的かつ多面的なインサイト獲得を実現します。

日本インフォメーション株式会社

日本インフォメーション株式会社

参照元: 日本インフォメーション株式会社

日本インフォメーションは、インターネットリサーチをはじめ多様な手法に対応する総合調査会社です。

独自の「機縁リクルート網」と「WEBモニター網」による大規模ネットワークで、低出現率の条件にも対応できます。

ホームユーステストや会場調査、インタビュー調査、アイトラッキングなどを組み合わせる調査が可能で、経験豊富なリサーチャーがヒアリングからレポートまで一貫してサポートします。

株式会社アスマーク

株式会社アスマーク

参照元: 株式会社アスマーク

アスマークは、ISO20252認証を取得したプロフェッショナルが、高品質かつスピーディーな調査を提供しています。

自社で100万人以上、提携先を含め1,800万人以上の大規模パネルを保有しており、条件に応じた多様な対象者への調査が可能です。インターネットリサーチをはじめとした定量調査、オンラインインタビューや海外調査、学術研究にも対応しています。

株式会社インテージ

株式会社インテージ

参照元: 株式会社インテージ

インテージは、アジアNo.1の実績を持つマーケティングリサーチ企業です。

インターネットリサーチをはじめ、購買データや小売販売データ、メディア接触ログなど幅広く精緻なデータを保有しています。業界に精通したアナリストが質の高い調査・分析を行い、企業や団体の戦略立案から実行までを支援できることが強みです。

楽天インサイト株式会社

楽天インサイト株式会社

参照元: 楽天インサイト株式会社

楽天インサイトは、「次世代型インターネットリサーチ」を掲げ、業界最大級の約220万人にのぼる自社パネルを保有しています。

楽天グループの多彩な行動ログデータから、生活者の深い理解や施策効果の検証が可能です。AIチャットインタビューなど革新的な調査手法を取り入れ、広告効果測定や生活者セグメンテーションといった幅広いマーケティング課題に対応しています。

​株式会社クロス・マーケティング

株式会社クロス・マーケティング

参照元: 株式会社クロス・マーケティング

クロス・マーケティングは、国内最大規模となる1,306万人のアンケートパネルを活用し、多様なニーズに応えるリサーチサービスを展開しています。

ネットリサーチをはじめ、会場調査やホームユーステスト、各種インタビュー、海外調査など幅広い手法を組み合わせて実施可能です。市場環境や購買行動の分析、新商品評価、顧客満足度調査など、企業が直面するマーケティング課題に対し、的確な意思決定をサポートします。

自社に合った調査会社を選んでネットリサーチを最大活用しよう

ネットリサーチは、コストを抑えスピーディーに大規模データを収集できる手法で、企業の意思決定や新しい戦略づくりに有効です。

調査の設計や分析の質は依頼する調査会社によって左右されるため、自社の課題や目的に合ったパートナー選びが重要です。信頼できる調査会社と連携し、ネットリサーチを最大限に活用することで、顧客理解や自社の商品・サービス価値はより一層高まります。

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