アンケート調査の種類・作り方|成功のコツやおすすめの調査会社10社も紹介

アンケート調査は、顧客理解や市場分析に欠かせない手法です。本記事では調査の基礎知識から種類や作り方、成功のポイントを解説します。
オンライン・オフライン・セルフ型の調査会社10社を紹介し、成果につなげるための活用法をわかりやすくまとめます。
アンケート調査とは?
アンケート調査とは、特定のテーマについて多くの人から回答を集め、意識や行動、満足度などを数値化して分析する方法です。消費者のニーズを把握したり、サービスの改善点を見つけたりする場面で広く活用されています。
アンケート調査を実施する際は、あらかじめ質問項目を作成し、紙やインターネットで対象者に回答を依頼します。アンケート結果を統計的に整理することで、主観に頼らない根拠のある判断が可能です。
アンケート調査の主な種類と特徴

アンケート調査はオンラインまたはオフラインで実施します。それぞれの特徴について解説します。
オンラインでのアンケート調査
オンラインでのアンケート調査は、インターネットを通じて回答を収集する方法です。メールやWebフォーム、SNSなどを活用できるため、短期間で多数の回答を集められる点が特徴です。
アンケートツールを使えば、結果の集計や分析も自動化でき、コストや手間を抑えられます。オンラインでのアンケート調査は、幅広い年齢層や地域の人々から意見を集めたい場合に向いています。
オフラインでのアンケート調査
オフラインでのアンケート調査は、紙の用紙で回答を集める方法です。店舗やイベント会場、街頭などで直接対象者に配布するため、回答率が高い傾向にあります。対象者に質問内容を詳しく説明しながら実施できる点も特徴です。
対象者の自宅に質問用紙を送り回答してもらう郵送調査もあります。オフラインでのアンケート調査は、インターネットを利用できない層に回答してもらいたい場合や、回答の正確性を重視する場合に適しています。
セルフ型アンケート
セルフ型アンケートは、オンラインで実施するアンケート調査の一種で、利用者自身が質問を作成して回答を集められる調査方法です。クラウド型のツールを使うことで、専門知識がなくても簡単に調査を開始できます。自社の商品やサービスの簡易調査、社内アンケートなど、小規模かつ短期間で実施したい場合に便利です。
アンケート調査の作り方・進め方
アンケートの作り方と進め方について解説します。自社で実施する際も、調査会社に依頼する際も、流れを把握しておくことが大切です。
1. 目的を設定する
アンケートを作成する前に、「なぜ調査を行うのか」「何を知りたいのか」という目的を明確にします。目的が曖昧だと、設問が的外れになり、必要な情報を得られません。
あわせて、調査対象となるターゲットも明確にしておきます。調査の背景や課題、知りたい内容を整理し、得たいデータの種類や活用方法まで事前に定めておくことが重要です。
2. アンケート調査の種類を決める
アンケート調査の目的と方向性が定まったら、目的に合った調査方法を検討します。各調査手法の特徴や強みを把握し、どの方法が最も適しているかを見極めることが大切です。
オンライン・オフライン・セルフ形式など、調査手法によって得られる情報の質や量は異なります。手間やコスト、対象者の属性や回収率も踏まえ、最も効果的にデータを収集できる方法を選定してください。
3. 調査票を作成する
調査票は、回答者が迷わず答えられるような構成や表現で作成します。設問文がわかりやすいか、回答形式が適切かなどの工夫が必要です。回答形式は、単一選択・複数選択などの選択式や自由記述式から選べます。
設問数が多すぎると途中離脱が増える可能性があるため、最小限にとどめて回答者の負担軽減を行います。オンラインでは回答フォーム、オフラインでは紙の調査票の準備が必要です。
4.アンケートを実施する
調査票が完成したら、いよいよアンケートの実施段階です。オンラインではメールやWebサイトを通じて回答フォームを配信し、オフラインでは紙の調査票を対象者に配布しアンケートを実施します。複数の配信方法を併用する場合は、各方法の回答率を比較しておくと、次回以降はより効果的な方法に絞って実施できます。
5.集計・データ分析を行う
アンケート終了後は、回答の集計とデータ分析を行います。設問ごとの回答数や割合を算出し、全体の傾向を確認します。クロス集計を使えば、性別や年齢など属性別の傾向の違いを確認することが可能です。単なる数値の羅列で終わらせず、アンケート調査の目的に沿ってどのような示唆が得られるかを考察することが重要です。
アンケート調査を成功させる4つのコツ

アンケート調査で有効なデータを得るためには、事前にポイントを押さえておくことが不可欠です。アンケート調査を成功させる4つのコツを紹介します。
回答率を高める工夫
アンケート調査で信頼性の高いデータを得るためには、回答率を高める工夫が欠かせません。調査の目的や所要時間、回答期限、個人情報の取り扱いなどを明示し、回答者に安心感を与える配慮を心がけます。
さらに、リマインドや謝礼などのインセンティブを活用するのも効果的です。謝礼の内容や金額は、回答者に見合ったものを選び、景品表示法の規定に抵触しないかも事前に確認しておく必要があります。
バイアスを避ける設問設計
調査結果の信頼性を高めるには、バイアス(偏り)を避けた設問設計も欠かせません。バイアスがかかると、本来の目的に合ったデータが得られず、誤った結論につながる恐れがあります。特定の回答を誘導する表現や、複数の意味に解釈できるあいまいな質問は避けてください。
専門用語を使う場合は補足を入れ、回答者が理解できる内容にします。選択肢は網羅性と排他性を意識して作成し、誰もが公平に選べるよう整えることが大切です。
調査目的に沿った分析手法の選定
データ分析は、調査目的に沿った手法を選びます。顧客満足度の把握や新商品・サービス開発のためのデータ収集など、調査の目的によって適した分析方法は異なります。
代表的な分析手法には次のようなものがあります。
- クラスター分析
- アソシエーション分析
- 主成分分析
- 決定木分析
得られたデータを「何に活用したいか」を明確にし、それに合った分析方法を選んでください。
【関連記事】効果的なアンケート集計・分析方法とは|手順や実施上のポイントを解説
調査会社やツールを活用する
アンケート調査を効率的かつ効果的に実施するには、外部の調査会社やオンラインツールを活用するのも有効です。専門会社に依頼すれば、設計から実施・分析まで一貫して任せられ、高品質なデータを短期間で得られます。
自社で実施する場合も、アンケート作成・配信・集計を自動化できるツールを活用すれば、手間とコストを大幅に削減できます。
オンラインでのアンケート調査が得意な調査会社4選
オンライン調査を得意とする調査会社を4社ご紹介します。
マイボイスコム株式会社

参照元:マイボイスコム株式会社
マイボイスコムは、インターネット調査を中心にオフライン調査まで幅広く対応しています。調査設計から実査、集計・分析、レポーティングまでを専門リサーチャーが一貫してサポートする「コンサル型リサーチ」が強みです。
独自のアンケートデータベース「MyEL」やテキストマイニングツール「TextVoice」、AI分析サービス「CotoEL」などを持ち、質の高い生活者インサイトの抽出やマーケティング課題の解決に力を入れています。
株式会社ネオマーケティング

参照元: 株式会社ネオマーケティング
ネオマーケティングは、約2,889万人という国内最大級のモニターパネルを保有しており、スピーディーで質の高い調査を実現できます。
自社運営のアンケート会員組織「アイリサーチ」と提携パートナーのネットワークを合わせ、圧倒的な母数と精度の高いターゲティングが特徴です。戦略立案やPRのサポートも受けられます。
株式会社Quest Research

参照元: 株式会社Quest Research
Quest Researchは、アンケート調査の結果をワンタッチで集計できる独自システム「コエミル」を提供しています。集計が簡単にできるだけでなく、表やグラフの自動作成や集計結果の一括管理も可能です。
AIによる分析支援も搭載されており、示唆だしのサポートも受けられる点も魅力と言えます。パワーポイントでの出力にも対応しているため、資料作成もスムーズです。
楽天インサイト株式会社

参照元: 楽天インサイト株式会社
楽天インサイトは、業界最大級の約220万人の自社ネットリサーチパネルを保有しています。「次世代型インターネットリサーチ」と「マーケティングPDCA支援」を提供している点が特徴です。楽天グループの行動ログデータと掛け合わせ、複雑化する生活者の実態を理解し、課題解決をサポートしてくれます。
オフラインでのアンケート調査が得意な調査会社3選
オフラインでのアンケート調査が得意な調査会社を3社ご紹介します。
株式会社日本リサーチセンター

参照元:株式会社日本リサーチセンター
日本リサーチセンターは、オフライン調査とオンライン調査の両方に対応しています。オフライン調査では、会場調査(CLT)、郵送調査、訪問調査などを実施できます。非公募型郵送パネル「トラストパネル」を保有している点が特徴です。
グループインタビューやデプスインタビューも提供しています。複数の手法を組み合わせ、より最適な調査を選択でき、生活者に近い声をリーズナブルに収集できる点が魅力です。
日本インフォメーション株式会社

参照元: 日本インフォメーション株式会社
日本インフォメーションは、会場調査(CLT)やホームユーステスト(HUT)、街頭調査や覆面調査などのオフライン手法に対応しています。会場調査(CLT)の実施数が業界トップクラスを誇り、年間約600件の実績があります。
また、消費者のリアルな反応を確認できる、「試食・試飲」「模擬購買」「デザイン評価」などの調査も可能です。ホームユーステスト(HUT)では年間約200件の実績があり、信頼性の高いリサーチ会社です。経験豊富な専門調査員が運営を行うため、安心して調査を依頼できます。
株式会社アスマーク

参照元: 株式会社アスマーク
アスマークは、会場調査を提供しています。よりリアルな消費者の声を集め、定量的に把握することが可能です。同時に簡単なアンケートやインタビューを実施できる点も魅力です。
実際に消費者に商品を試してもらいたい場面に向いています。ホームページには、さまざまな業界や業種の調査事例を数多く紹介しています。ISO20252認証を取得しており、高品質とスピード対応が強みです。
セルフ型アンケート調査を提供する調査会社3選
セルフ型アンケート調査を提供する調査会社を3社ご紹介します。
ヴィアゲート株式会社

参照元: ヴィアゲート株式会社
ヴィアゲートは、セルフ調査ができる「エモミルリサーチ」を提供しています。調査出稿から結果の読み解きまでセルフで対応できる点が特徴です。アンケート調査やAIチャットインタビュー調査、動画・Webサイトの視聴調査が可能です。
2,900万人規模のアンケートパネルを保有しており、消費者インサイトの分析・発見をスピーディに行えます。特にAIインタビューは30言語に対応し、海外調査も効率的に実施できます。
株式会社マクロミル

参照元: 株式会社マクロミル
マクロミルは、業界トップクラスの品質と数を誇るパネルネットワークを活用しています。セルフ型アンケートツール「Questant」を活用することで、調査会社を経由せずにセルフリサーチが可能です。
調査にかかるコストと時間を抑えたアンケートの実施や分析も行えます。Web上で会員登録をした日から利用可能なため、手軽に調査できる点も魅力です。
株式会社クロス・マーケティング

参照元: 株式会社クロス・マーケティング
クロス・マーケティングでは、セルフ型アンケートツール「QiQUMO」および「Global QiQUMO」を提供しています。アンケート画面の作成や結果の回収、データ加工、レポーティングまでをユーザー自身で行うことが可能です。
集計ツール「Cross Finder 2」も提供しており、質問加工やクロス集計、グラフ作成、レポート出力を無料で行える点も魅力です。
アンケート調査を成果につなげるために
アンケート調査を成果につなげるためには、目的の明確化や対象者設定、設問設計、回答率向上の工夫など、計画的な準備が欠かせません。調査結果を正しく集計・分析し、意思決定や施策に活かすことが重要です。
自社だけでの実施が難しい場合は、専門知識を持つ調査会社への相談や、ツールの活用も有効な方法です。経験豊富なパートナーと連携することで、効率的かつ精度の高い調査を実現できます。
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